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第58話 ディオス領に帰還


タカシたちは予定通り、六日目の昼にディオス領に到着した。ミオにシャロンと獣人奴隷たちをセルマが拠点として使っている村まで連れていってもらい、タカシはアーナスに帰還の挨拶に向かった。


途中、目つきの悪いメイドのイーアスに会った。タカシは笑顔で帰還の挨拶をし、「かなり傷んでしまったが貴族用の馬車をお返しする」と伝えた。イーアスの表情が険しくなり、明らかに不機嫌な様子で馬車置き場へと向かっていった。


アーナスは自室にいた。タカシは挨拶もそこそこに「約束を果たし、戦力を連れてきた」と報告した。アーナスが感謝の言葉を伝える前に、タカシはアーナスに抱きつき無理やり唇を奪った。抵抗もむなしく、気づけば彼女は胸をさらけ出し乱暴に揉まれていた。アーナスはやっとの思いでタカシのキスから逃れた。


「出発の時に言いました、あなたを抱きに帰ってくると」


タカシはそう言って、また唇を奪う。アーナスは抵抗するが、力ではタカシに勝てず振りほどけない。「止めなさい」と言うが、「約束は守りました。これからも守ります、命を懸けてディオス領とあなたを守るのです」とタカシは言い、アーナスもついに抵抗を諦めるのであった。


行為が終わり、アーナスは半ば無理やりタカシの胸に抱かれ、息を整えた。タカシはそんなアーナスを感じながら頭を撫で、艶のある髪と白い胸を眺めながら、貴族の女性を抱いた優越感に浸っていた。


アーナスがこの状況をどうしようか考えていた時、タカシが口を開いた。


「そういえば、カリンたちを助けてくれたと聞きました。ありがとうございます」


「私の領地を守ってくれているのですから、当然です」


「ホブゴブリンが出たと聞いたのですが、今までも出たことはあったのですか?」


「初めてです。動物系のモンスターばかりで、亜人種が出現したことはありません」


「それならば他所から流れ着いたか……魔法で倒したと聞いたのですが、魔法が使えるのですね」


「当然です、貴族ですから。このように乱暴にしていると燃やしますよ」


「はっはっはっ、今度魔法を教えていただけないでしょうか?」


「魔法の素養があれば勉強すれば使えると思いますが、一般人には難しいと聞いています」


「魔法が使えれば戦闘が有利に運べますし、被害も抑えられます」


「まあ……教えるくらいは。ただ、このような乱暴なことをするのなら教えません」


「それならいいです」


タカシの拗ねたような言葉で、二人の間に沈黙ができた。アーナスはタカシから離れ服装の乱れを整えながら、「使えるかはわかりませんが、イーリスと一緒であれば……」と言った。


「ありがとうございます」


タカシも服装を整えた。


「それではセルマと今後の作戦を……セルマは優秀だったでしょう?」


「ええ、彼女はとても優秀で、誰かとは違って信頼もできます」


「はっはっはっ、信頼されるように頑張ります」


タカシは笑顔で部屋を出た。


タカシはディオス邸を出て、セルマが拠点として使っている村へ徒歩で向かった。拠点の村はミオから場所を聞いていた。今回の作戦で住民が避難している区画の、ちょうど中央の海寄りにあった。村までの道中で魔物に会うことはなく、魔物がいた形跡もない。村は見晴らしが良く家も密集していて守りやすい印象で、さすがセルマだとタカシは感心した。


村に近づくとカリンとコリンが馬で迎えに来てくれた。会うなりカリンが馬から飛び降り、タカシに抱きついた。タカシはカリンと熱い抱擁を交わし、「元気だったか」と声をかける。コリンも馬から下りてタカシに抱きついた。タカシはコリンに「怪我をしたと聞いたが大丈夫か?」とその時の状況を聞いた。


二人は口々に当時の状況を説明してくれた。


「驚いたし焦ってしまいましたが、倒せない相手ではないので、次は上手くやります」


「傷を治してくれた僧侶にお礼を言ったか?」


「はい、とても良い人で優しくて可愛くて、たまに会うので挨拶しています」


「そうか、直接お礼を言わないとなあ……」


カリンとコリンはタカシを挟んで、それぞれ腕にしがみつき楽しそうに話をするのであった。


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