表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/77

第50話 金貨20枚を握り締めて


四日後、タカシは迷宮で鍛錬を終え、日が沈みかけた頃に冒険者ギルドへと向かった。待ちに待ったディオス領からの依頼報酬、金貨二十枚を受け取った。ギルドからの報酬は今まで貰ったことはなかったが、ディオス領のメダルを見せると何も言われずに受け取ることができた。


そのまま、三つある奴隷商のうち最後の、貧民街にある奴隷商へ向かった。タカシの家は貧民街にあるが、比較的大きな通りに近い。この奴隷商は貧民街の奥にあるらしい。


しばらく探し、貧民街の奥、職人街に近い場所に奴隷商を見つけた。木製の柵でぐるりと囲まれ、小屋の集合体にテントをくっつけたような、つぎはぎだらけの家だ。庭には鉄の杭が五本刺さっており、それぞれに獣人奴隷が繋がれている。どの奴隷もみすぼらしく、そして動かない。


正面から入ると、すぐに悪臭が鼻を突いた。


「嫌な予感しかしない……」


タカシは鉄の杭に繋がれている獣人奴隷たちが生きているか確認しようと近づいたが、家の方から「何か用かい?」と声がかかり、そちらに振り向いた。


そこにいたのは、杖をついたしかめっ面の年配の女性、いや、「ババア」と言った方がしっくりくる、ふてぶてしさを持った女主人だった。


「獣人奴隷を買いに来た。見せてもらえるか?」


タカシの言葉に、ババアはしかめっ面を営業スマイルに変え、「よく来なすった、どーぞ中へ入っておくれ」と家の中に招き入れた。


家の中は外見から想像した通りの汚さで、外以上に悪臭が立ち込めている。ババアはタカシのことなど気にする様子もなく、入ってすぐの檻を杖で叩き、「お客様だよ、アピールしないか!」と大声で怒鳴った。檻の中にいる獣人奴隷たちはゆっくりと立ち上がり、奴隷服を捲り上げた。


タカシは今すぐにでも逃げ出したいほどの嫌悪感に襲われた。汚れた奴隷たちは痩せ細り、生気のない目をしていた。まるで操り人形のように、ババアの指示に従っている。ババアは奴隷たちが指示通りに動いているのを確認し、「奥にもいい子がたくさんいるから、たくさん買っておくれ」とタカシを奥へと案内した。


部屋の奥にある檻は大小さまざまで、一つに五人から二十人ほど獣人奴隷が入っていたが、どれも不衛生で掃除されている様子はなかった。奴隷たちは汚れ、痩せ細り不健康に見えた。タカシは(これではモンスターと戦えないのでは?)と不安を感じた。


「獣人奴隷はいくらだ?」


「若旦那には特別に、金貨一枚で獣人奴隷二人ですじゃ」


ババアは笑顔でそう言ったが、目は笑っていなかった。


「それで最大何人買える?」


「奴隷は最大六人と決まっておるから、獣人六人選び放題で金貨三枚ですじゃ」


ババアは、他の奴隷商と変わらない答えを、さもお得なように笑顔で答えた。


タカシは合計三十人の奴隷を集めるために、残り十三人を購入しなければならなかった。この奴隷商では全く買う気が起きなかったが、目標を考えると、ここで買っておかないと達成が苦しくなると考えていた。


逆に、ここなら残り十三人を全て売ってくれそうな気がした。駄目なら、それでいい。こんな汚れた奴隷なら、無理して買いたくもないとも考えていた。


「俺は性欲が強いから、獣人奴隷、それも飛びっきり元気なやつを……そうだな、二十人は欲しい」


タカシはそう大ボラを吹いた。


「ひゃっひゃっひゃ、いくら若いとはいえそれは多すぎる」


ババアは予想以上に笑った。


「この檻の中に獣人奴隷が八人おるじゃろ。内緒にしてくれるなら、この檻の奴隷すべてを金貨四枚で売ってやる」


「ふん、こんな痩せっぽちの奴隷、すぐに駄目になってしまうわ」


ババアは目を丸くし、口を開けて驚いた。タカシの演技はさらにノッてきた。


「こっちの檻と、そうだな、向こうの大きな檻の中の奴隷全部を買おうじゃないか。金はある。迷惑はかけない」


「若旦那、獣人奴隷を捨てる人が増えて暴動が起きたのを知っとるじゃろう?いくら若いといっても八人もおれば十分じゃ……」


「いいや、俺ならここの奴隷商にいる全ての奴隷に、バーサンをつけても一晩で相手できる」


ババアは呆れて首を横に振りながら、「調子にのってるんじゃないよ」と言った。


「いーや、本当だね。何だったら、バーサンに一番初めに相手になってもらってもいい」


ババアは呆れて黙ってしまった。タカシは笑顔でババアの肩に手を置いた。ババアは慌てて振り払い、タカシとの距離を取った。


「じゃあ、連続で何人相手できるか見てやろうじゃないか。相手できた人数、売ってやるよ」


「本当だな?」


「ああ、ただし演技しても無駄じゃからな」


ババアはそう言うと、檻をより一層強く叩き、杖で一番端にいた奴隷を指した。


「そこの端っこのお前、パンツを脱いで尻を若旦那に向けな」


奴隷は戸惑っていたが、ババアの「早くおし!」という声でパンツを脱ぎ、タカシに尻を突き出した。タカシは奴隷に唾をつけ、腰をしっかり持って自分のものをねじ込んだ。奴隷は何も言わず耐えたが、タカシは驚くほど早く達してしまった。


「あんた、早いねえ」


ババアはびっくりしたような声を上げ、奴隷を確認し、本当に達したのかを確かめた。ババアは次の奴隷にパンツを脱いで尻を向けるよう指示し、タカシは次々に相手にした。


タカシは檻にいた六人全員と終え、「次は、あっちの檻の奴隷でいいか?」と言いながら次の奴隷の檻に向かった。


「せっかちだね、そんなんじゃモテないよ……ほれ、声は聞こえてたじゃろ。早くパンツを脱いで尻をこっちに向けな」


ババアは小走りに歩き、檻の中の奴隷に指示を出した。


「この奴隷商の奴隷全員を相手にしないといけないからな。時間が惜しい」


タカシは大声で答え、新たな檻の奴隷の腰を持った。それから二時間以上が経ち、ババアはどこからか持ってきた椅子に座ってタカシの行為を見守っていた。二つ目の檻の中には、股の間から液体を流す奴隷が十二人になっていた。しかし、一人にかける時間が長くなってきていた。十三人目に達した後、タカシのものは怒張しなくなっていた。


タカシは二つ目の檻にいた獣人奴隷に声をかけた。


「すまないが、口で立たせてくれないか?そうすれば、この檻にいる全員を買ってやれる」


しかし、残った獣人たちは恐怖で震えるだけだった。長い沈黙の後、タカシは檻にもたれかかりながら「バーサン、すまない。ここまでのようだ」と苦しそうに言った。


「それでも、最初の檻で六人、次の檻で十三人。大口を叩くだけのことはあったよ。面白いものを見せてもらった」


ババアはタカシが相手にした奴隷の股の間から流れる液体を小皿に取り、「特別にこれで奴隷契約してやるよ。なーに、血と大差ない」と、タカシが相手にした十九人の首輪にタカシとの奴隷契約を施した。


「十九人、奇数だねえ……二人で金貨一枚だから、あと一人」


ババアが悩んでいるところへ、タカシが口を挟んだ。


「庭にいる奴隷が五人いただろう?あれ、全部引き取ってやる」


「あんた、まだそんなに奴隷が欲しいのかい」


「あんな死にかけの奴隷、いらないだろ?買い取ってやるって言ってるんだ」


タカシは檻にしがみつきながら強がりを言った。


「あんた……ハァー」


ババアはため息をつき、悩んだ。


「今からだって、バーサンくらいなら相手できるぞ」


タカシは檻にしがみついていた手を離し、背筋を伸ばした。


「わかったよ。死にかけの奴隷を引き取ってくれるのはありがたい。ただし、きちんと金はもらうからね」


ババアは外に出て、死にかけの奴隷にタカシとの奴隷契約を施した。タカシはババアが座っていた椅子に腰かけ、大きなため息をついた。ババアが戻ってきても、タカシは椅子から立ち上がれずにいた。


苦しそうに休んでいるタカシに気を利かせてか、ババアは話し始めた。


「私も助かった部分はあるんじゃよ。毎週何十人も獣人奴隷が送られてきて、食費だけでも大きな負担になっていた……。見ても分かるだろうけど、掃除や世話も手が回らなかったしね。第一王子ももう少し考えてくれたら良かったのにねえ。さすがにこの数は捌ききれないさ」


ババアは一方的に話し終え、タカシに言った。


「ほれ、いつまでバーサンを立たせておくんだい?二十四名で金貨十二枚じゃ」


「ああ……すまない。金貨十二枚な。バーサンに迷惑かけないから安心してくれ」


「全くじゃよ。これで捕まったら目も当てられない。何をやりたいのか知らないけど、うまくやりな」


「ああ……」


タカシは力を振り絞って立ち上がり、「馬車を持ってくる。馬車で連れて帰っていいだろ?」と言った。


「ああ、好きにおし」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ