第30話 会議
翌日、タカシ、シャロン、セルマの三人は、それぞれの調査結果を持ち寄ってテーブルについた。
「よし、まずは俺からだ」
タカシはそう言って、話し始めた。
「奴隷商のサイロンに聞いてきた。戦争奴隷に奴隷紋を入れることに関して、特にルールはないそうだ。奴隷商としては、カウントしなくても問題ないと言っていた。つまり、俺の奴隷枠は五人だ」
タカシは結論を告げると、次にシャロンに視線を向けた。
「次はシャロンだ。住居の相場はどうだった?」
「はい。一番安くて、貧民街の二階建ての一軒家で、家賃が一ヶ月金貨五枚でした。比較的多いのは一ヶ月金貨十枚から二十枚くらいの、庭付きの一軒家ですね」
シャロンの報告に、タカシは思わず「高い!」と声を上げた。予想以上の家賃に、タカシの顔は引きつっていた。
「よし、最後はセルマだ。新しい仕事は見つかったか?」
タカシの問いに、セルマは少し困ったように答えた。
「ギルドに聞いてみましたが、いい仕事はない、という結論になりました」
タカシは苦笑いしながら「厳しいなあ」と呟いた。しかし、セルマは続けてその理由を説明した。
「獣人奴隷は格安で手に入るため、獣人奴隷が受けられる依頼は極めて少ないそうです」
その言葉に、タカシは驚くほど納得してしまった。
「つまり、奴隷枠は五人。住居は一ヶ月金貨五枚から二十枚。そして、いい仕事はないってことだな」
タカシは三つの結論を頭の中で整理した。
どうすべきか悩んでいると、シャロンが口を開いた。
「タカシ様、これでは前回と同様に駄目だ、という答えになってしまいます。それよりも、奴隷の人数を調整して、この人数ならギリギリ購入可能だという妥協点を提案することで、彼女たちの気持ちに寄り添ってあげてはいかがでしょうか」
「いいね!」
タカシはシャロンの提案に同意した。
「それなら、引っ越しは金銭的に難しいから、この家に住める人数で考えよう。何人で住めるかな?」
タカシがシャロンとセルマに尋ねると、二人は予想以上に考え込んでしまった。タカシは不思議に思ったが、すぐにその理由がわかった。二人とも、床で寝た経験があるからだ。
(床で寝かせた極悪な主人は誰だよ!)
タカシはそう心の中で突っ込んだ。
「寝室にベッドを増やして、最大何人寝られるかで決めてはどうだろう?」
タカシが提案すると、シャロンが答えた。
「それでしたら、確か六人の奴隷と主人の七人が寝られるようにベッドが置かれていましたよね。今は主人を入れて五人ですから、最低でもあと二人は寝られます。そして最大は奴隷枠の残り五人ですから、二人から五人の間で決めればいいですね」
タカシはうーんと唸りながら考えた。
「四人、か?」
彼は疑問形で答えを口にした。
「二人ずつで合計四人、獣人奴隷を救うことができる。奴隷紋の代償としては少ないが、最初の要望が六人だったから、一人につき三人と比べれば一人しか変わらないしな……」
二名だろうと三名だろうと、たったそれだけを助けるために奴隷紋を入れるのは理解できない、とタカシは心の中で呟いた。
「一人につき二名で、二人合わせて四人の奴隷を購入する。ただし、うちのルールや躾はキャロとカリンがしっかり教育する。それと、絶対に抱くことを受け入れさせる。あとは……うーん、奴隷を選ぶのは主人である俺がする。どうせなら好みの顔がいいしな」




