第13話 シャロンの思い
翌朝、タカシが目を覚ますと、いつも台所から聞こえてくるはずのシャロンの気配がない。静まり返った部屋の中で、タカシは嫌な予感を覚えた。ベッドから身を起こすと、彼は思わず息をのんだ。
床に、裸で土下座しているシャロンの姿があったのだ。
タカシが身を起こしたのを感じ取り、シャロンはゆっくりと顔を上げた。その目は昨日とは打って変わって、強い意志を宿していた。
「お願いがあります!」
シャロンはまっすぐタカシを見つめて言った。
「金貨三枚いただけると聞きました。そのお金で、私に奴隷紋を入れてください」
思いもよらない発言に、タカシは「えっ、えっと……」と間の抜けた返事をするしかなかった。
奴隷紋。タカシの頭の中を、その言葉が駆け巡る。奴隷の首輪とは比べ物にならないほどの強制力を持つ、奴隷の印。主人の命令に逆らえなくなり、主人が死ねば奴隷も死ぬといわれる、恐ろしい魔法だ。奴隷本人の許可がなければ入れることができず、心から受け入れなければ魔法は弾け返される。
タカシは、奴隷紋に嫌悪感を抱いていた。そこまでして縛り付けたくない、という思いが強くあったからだ。
「昨日の話は謝罪したし、二度と手放すなんて言わないって約束したよな?」
タカシは苛立ちを隠さず、シャロンに詰め寄った。
「それに、奴隷紋の意味をわかっているのか?嫌なことを命令されても断れないし、主人が死ねばお前も死ぬんだぞ?そんなものを入れさせるわけがない。この話は終わりだ、さっさと朝食にしよう」
タカシはベッドから立ち上がったが、シャロンは土下座の姿勢を崩そうとしなかった。
タカシはそんなシャロンを見て、さらに苛立ちを募らせた。
「シャロン、命令だ!すぐに立って、一緒に朝食を食べよう!」
タカシが初めて命令を使うと、シャロンの首輪がわずかに締まり、彼女は苦しそうな声を上げた。だが、土下座の姿勢から動こうとはしなかった。
その頑なな態度に、タカシはどうしていいかわからず苛立った。しかし、改めて目にするシャロンの美しい全裸姿に、気づけば欲情していた。
「……わかった。じゃあ、奴隷紋を入れるということがどういうことか、教えてやる」
タカシは裸で土下座しているシャロンの後ろに回り、卑猥なことをしようとした。シャロンは驚き、身じろぎをする。
「奴隷紋を入れるということは、何をされても断れないってことだ。嫌だろ?早く立ち上がれ」
タカシは彼女を立たせようと促したが、シャロンは断固として首を振った。
「嫌じゃありません」
その一言で、タカシの苛立ちは一気に頂点に達した。
「そうか。……いいか、やるぞ」
タカシは意地になり、シャロンの中に深くゆっくりと入っていった。シャロンは初めての感覚に苦しそうにしながらも、すべてを受け入れた。
タカシはシャロンの新たな場所で達した。呼吸が整うころには冷静さを取り戻し、完全に自分の負けを認めた。
「……わかった。俺の負けだ。奴隷紋を入れよう」
タカシは力なくそう呟いた。




