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第10話 買い物

シャロンへの欲望が抑えきれなくなったタカシは、その日の迷宮探索を切り上げ、いつもより早く家へ帰ることにした。


扉を開けると、シャロンは驚いたように彼を迎えた。


「ただいま、シャロン。急で悪いんだけど、一緒に買い物に行こう」


タカシはそう言うと、部屋の隅に置いていたトートバッグを肩にかけ、シャロンを促した。シャロンは戸惑いながらも、タカシの後についてきた。


まずは雑貨屋へと向かった。タカシは大きめのタオルと普通サイズのタオルをいくつか手に取った。


「シャロン、下着もいるだろう?好きなのを買っていいぞ」


タカシがそう言うと、シャロンは驚いたようにタカシを見つめた。しかしタカシに促され、おずおずと下着を手に取る。他に欲しいものはないかと尋ねると、シャロンは困ったように「ありません」と言った。タカシはそんな彼女を見て、ふとある物を思い出した。


「これ、よかったら使ってくれ」


そう言って、タカシは木製の櫛をシャロンに手渡した。


「ありがとうございます」


シャロンは、その櫛を大切そうに握りしめた。


会計を済ませ、次に二人は洋服屋へと向かった。


「中古で悪いけど、好きな服を選んでいいぞ」


タカシの言葉に、シャロンの顔はわかりやすく明るくなった。シャロンは少し考えてから、奴隷になる前に着ていたものに似た服を選んだ。


「お姉さん、今着ていくかい?」


店の主人が尋ねると、シャロンはタカシに確認するように視線を向けた。


「着たいか?」


タカシが尋ねると、シャロンは「はい」と頷いた。彼女は奥の試着用の仕切り板に隠れ、新しい服に着替えて出てきた。


中古の服でも、シャロンが着ると見違えるようだった。タカシは少しだけ頬を赤らめ、素足だったシャロンに中古の靴も買い足した。


家に戻る道中、シャロンは見るからに上機嫌だった。


「そんなに喜んでくれるとは思ってなかった」


タカシが理由を尋ねると、シャロンは少し恥ずかしそうに答えた。


「水洗い場に行くと、いつも悪ガキどもがいて……。胸やお尻が見えると大喜びされて、恥ずかしかったんです。奴隷服は無防備でしたから……」


上機嫌のシャロンと家に帰り着くなり、タカシは彼女を抱き寄せ、濃厚なキスをした。シャロンもまた、タカシの気持ちを察していたのか、キスを返してきた。


タカシは、せっかく買ったばかりの服を脱がせ、シャロンの体を求めた。


その夜、二人の関係はさらに深く結ばれたのだった。


それから数日が経ち、タカシとシャロンの関係はさらに深まっていった。


朝、タカシが迷宮へ向かうときには「行ってきます」のキス。家に戻ったときには「おかえり」のキス。それが二人の新たな日課になっていた。


食事は、シャロンもテーブルでするようになった。今までは床で食べていたが、タカシは申し訳ない気持ちと、顔を見ながら食事をしたいという思いから、シャロンにテーブルで食べるよう言ったのだ。


夜、眠る時間になると、二人は同じベッドに入るようになった。シャロンは服をすべて脱ぎ、丁寧に畳んで木箱の上に置く。そして、横になるタカシの上に覆いかぶさった。


すべてがタカシの指示だった。


奴隷と主人という関係のはずが、タカシの中では明らかに恋人同士の感情が支配していた。奴隷商サイロンの忠告はとうに忘れ去られ、タカシはシャロンとの新婚のような甘い生活に夢中になっていた。


迷宮での狩りも、以前とは違ったものになっていた。


(今日はシャロンと何をしようか……)


タカシは魔物を倒しながらも、シャロンとの時間のことばかり考えていた。彼女とどんな話をしようか、どんな風に愛そうか。


タカシにとって迷宮での狩りは、シャロンへの愛を深めるための、ただの手段に成り下がっていた。彼の思考は、完全にシャロンを中心に回っていたのだった。


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