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実力ある異世界人を目指して〜憧れの悪役は実力隠してやりたい放題  作者: グレープファンタジーの朝井
7章 阻止任務

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201/210

201.モブタロウくん

 4日目。今日と言うほどつまらない日はないとと言う生徒は多いだろう。今日1日はほぼふるいにかけるだけの作業だからだ。


 第3プログラム・実力者殲滅闘争。勝ち抜きではなくトーナメント戦であり約640人近くの全生徒が最後の1人になるまで勝ち続ける。今日と明日は4会場で行う。今日は組数が多すぎて1人1回しか戦えないが、明日は3回、最終日は5から6回闘うことになってる。


 しかしそれは最期まで勝ち抜けばの話だ。最終日は勝ち上がってきた猛者たちと戦わなくてはいけない上に5回も戦わなくてはならない。ペース配分も大事であるようだ。


 ま、何度も言うように1日目は1回しか出番がないうえに歯ごたえのある戦いが見れるのは少ない。故に退屈。


「しかーし、僕には重要な役目がある」


 それは1回戦目にあたった相手をうまい具合に操り、あわよくば決勝まで行かせることだ。


 僕のやりたいことは僕の姿のままではできない。だったら他人を操り決勝まで行かせようではないか。


 魔力干渉(マリョクカンショウ)も仕上がった。人の魔力をいじり、裏で操ってみせよう。僕の魔力も流せるし、無理な戦いも多少は可能だ。


「ふふふふふふ……」


 ニヤニヤが止まらん。


「あの人なんでニヤニヤしてるんだろう。気持ち悪いから早く倒そ」


 随分と早い出番だが中途半端に出番が回ってくるより遥かにマシだ。相手はセオルゴス学園のモブタ・ロウエーくんだ。


 モブタくんのやる気に満ち溢れたその構え……参ったよ。僕と肩を並べるほどの平凡っぷり。君は今日から3日間道化として働いてもらう。


 だけどその前に僕の魔力をある程度付着させとかないと操るのが難しくなってしまう。何度かタッチしないといけないのは確定だ。


 戦いながら魔力を付着させ、あわよくばこの戦いで実際に操ってみよう。


「試合開始!」


 レフェリーが開始の合図を出すとモブタくんは良い動きで間合いを詰めてくる。


 う〜ん、なんとも真っ直ぐな動きだ。右利きだし、そのまま動きが突きに移行する。読みやすい動きというのは速さでどうにか出来る問題ではない。


 しかしここで避けてしまえばせっかく苦労して貯めたであろうモブタくんの一撃を無駄にしてしまう。ここは僕も剣でしっかりと応戦する。


「この速さについてこれるなんて……!」


 一般生徒よりやや速いぐらいのスピードだが……彼は今でま一体何と比べていたんだろうか。決して遅くはないのだが避けられない速さでもない。


 レフェリーが彼を目で追っていることからまあ……お察しのとおりだ。


 しかし魔力干渉では接触することが大事だ。触れられるチャンスは何度もある。失敗はないだろう。


「ここだぁぁあ!」


 突きの姿勢はどうやらフェイント。まあそんなのはどうでもいいけど。


 僕の身体を斜めに割くような軌道でペキンと鈍い音を出す。鋭利な刃物じゃなくて良かった。でなければ僕の身体は今頃真っ二つだ。


 つま先から脳天まで響き渡るような強い衝撃……。痛い……痛すぎるが!


 どうやらワンタチッチできたようだ。


「ぐおはぁぁぁぁ!」


 大ダメージを受けたが大したことではない(矛盾)。やはり1回の短いタッチ時間では髪の毛を表情筋を動かせるだけだ。


「なんだ、なんだか頬がぴくぴくする……」


 これだけじゃまだ足りない。もう少し触れる必要がある。


「今度は僕からだ!」


「あの攻撃を受けてまだ立てるのか!」


 一方で僕からはわかりやすい軌道の縦斬り。アホみたいに剣を上に構えて走る。


 流石に避けてくれるか受け止めるだろう。


 その場合のプランを考えて身体に触れる。覚悟しておけよ!


「うおー」


 瞬間、メコン! という嫌な音と共に僕は彼を後ろに飛ばす。いや避けろー! あんなわかりやすい動きを見ているだけで何もしないのは流石に強すぎる。


 しかしその際にツータッチ目。鼻の動きを操れる。


「くそっ……早すぎる! 仕返ししてやる!」


 今度は脇腹を強く叩かれた。 しかしスリータッチ。どうやら足の小指は自由に動かせるようだ。


 同じような技で僕はモブタくんを痛めつける。さっきと技が変わってないのに避けようとも受け止めようともしない。どうなってるんだ。


 まさかこのモブタ……ターン制だと思っているのか? それだったら普通にヤバい人だ。僕の攻撃を受けるのを待っている人じゃないか。


「中々やるなこいつ。変なやつだとは思ったけどここまでの難敵とは……。本気を出すしかないようだ」


 まさかモブタくん、相手の実力がわからない上に自分を最強だと思ってるのか!?


 なんて都合の良い生徒なんだろう。ありがたく利用させてもらおう。


「なんだ!? 身体が滑らかに、まるで自分の意志じゃないかのように動くぞ! まさかこれが俺の真の力! いける……この力があればやつを倒せるぞ!」


 良い動きだ。魔力で操るというのは糸をつなげて操るよりも滑らかな動きを再現できる。


 真面目に打ち返してもいいけど既に目的は達成したも同然。僕はここにて退場する他ない。


「うわぁー」

 

 何だこのばかみたいな戦いは……。だがしかし無事に終わってくれてよかったよ。


「ガレオスのレイン、場外! 勝者セオルゴスのモブタ!」


 全然盛り上がらない会場。みんな他の試合に行っているのだろう。マリアの視線はしっかりと感じ取れるけど。

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