2-13 ダンジョンでのケガ
愛美さん依頼の仕事まで、まだ5日ほど余裕がある。
俺と真美子はダンジョンでレベル上げをする事になった。
少し遠いが、”哺乳類の巣穴”ダンジョン
ここなら、虫のような真美子の嫌がる魔物は出ない。
俺は真美子をいつものようにおんぶして、飛行魔法で”哺乳類の巣穴”ダンジョンに向かった。
◇
そのダンジョンの中は、土の匂いで一杯だった。
いつものような水音は聞こえない。
魔物が壁に穴を掘っているので少し進むと穴だらけだった。
きっと、モグラのような魔物だろう。
お、索敵魔法に反応が出た。
「真美子、大ウッド魔チャックLV12だ。1匹だから任せる。」
「はい。テツさん。」
大ウッド魔チャック、げっ歯類のネズミのような形だ。毛皮は茶色で大きさは180センチだ。
真美子が大ウッド魔チャックに向き合う。
ぎしゃー!
と口を開け唸り、大ウッド魔チャックはその歯をむき出しにして、真美子に噛みついて来た。
真美子は剣を振る。
ギャギーン!
大ウッド魔チャックの歯に剣が当たり、歯にひびが入る。
続けて真美子が剣を振るう。
ザン!
ザン!
ぎゅわー!
大ウッド魔チャックは倒れた。
まあ、このレベル程度なら真美子には楽勝か。
「よし、真美子、素材を取ったら進むよ。」
「はい。テツさん。」
その後も、”大堀魔ネズミン”や、”大魔モグラーラ”、”穴大魔ウサウサ”などネズミ、モグラ、ウサギを巨大化させ凶暴にしたような魔物が襲ってきた。
そして、それらの魔物を倒しながら、俺と真美子は中層へ進んだ。
真美子はちょっと服が所々破けている。
真美子は攻撃魔法が使えないと言っていたので主に接近戦だ。
だから、擦り傷や切り傷が絶えない。
俺は小まめに中級回復魔法や初級回復魔法をかけてあげた。
◇
ダンジョンの中層付近は、魔物のレベルがLV150前後になった。
真美子は、現在LV154。魔物と結構五分の戦いになり、浅いがケガも増えてきた。
前回から真美子の戦いを見てたが、剣技は我流に近い。
これは、後で剣技を教えないと挌上の相手に通用しないな。
俺は、”十勇者ミッション”での勇者のレベル上げや俺のレベル上げを思い出していた。
そして、階下に降りた。
そこは広い空間だった。
少し歩くと索敵魔法に魔物が引っかかった。
”大マゼラン魔ぺペンギーン”平均LV150。ペンギンの大きい魔物だ。
数は2匹。
「真美子、左の魔物を頼む。」
「はい。」
ザン!
俺は、大マゼラン魔ぺペンギーンを一発で切り捨てた。
そして、真美子を見る。
がし!
ぐえー!
バシュン!
ぶしゅー!
「あぐっ!」
真美子は、大マゼラン魔ぺペンギーンの翼で結構切られてる。
経験を積ませるには、このまま戦わせるのがいいのだが、どうする?
大マゼラン魔ぺペンギーンがバックステップをした。
あ、不味い!何かの大技か?
真美子は剣を構えて大マゼラン魔ぺペンギーンに向き合う。
大マゼラン魔ぺペンギーンは、口を開け魔力を溜めエネルギーを放った。
ガアアアア!
俺はいつの間にか、魔法防壁を真美子の前に張りめぐらせ、大マゼラン魔ぺペンギーンの砲撃を防いでしまった。
ババババッバ!
真美子はその魔法防壁に驚きながらも、俺の方をちらっと見た後、大マゼラン魔ぺペンギーンに切りかかった。
ザン!
ザシュ!
シュトン!
大マゼラン魔ぺペンギーンは収束砲を放ったため硬直していたので、真美子に3連続で切られて倒れた。
真美子は更に止めを放った。
ズシュ!
そして、大マゼラン魔ぺペンギーンは死んだ。
俺は真美子に近寄りながら考えた。
ちょっと過保護だったかな。
「テツさん。ありがとう。魔法防壁で防いでくれて。」
と真美子は、元気な声で俺に言った。俺は片手を上げてそれに答えた。
真美子に近寄ったら真美子は傷だらけだった。
全体的に浅いがちょっと女の子には不味い。
「真美子、回復魔法をかけるよ。」
「はーい。テツさん。」
俺は手を真美子に向けて、中級回復魔法を掛けた。
真美子の体が光って傷が癒えた。
今回の傷は深く傷痕が残ってしまった。
しかし、まだまだダンジョン内で戦闘するので、最上級回復は帰ってからにする。
一応何があるか分からないので、俺の魔力の温存だ。真美子にもそれは伝えてある。
しばらくこの階で真美子が慣れるまで、真美子のレベル上げを行った。
今日は、お昼もトイレもダンジョン内ですませた。
俺は真美子を、魔王を倒せるレベルまで、育てなければならないなと思いながら。
真美子を連れて、ダンジョンを更に1階下に降りた。
午後3時ごろ、真美子は俺をチラチラ見るようになった。
なんだろう?俺がイケメンで見てる・・訳じゃないな。
「真美子どうした?」
「えっと、帰るのは何時ごろかなって。」
ああ、疲れたのか。
「疲れたのか?」
「う、うん。だって、こんなにハードなレベル上げ初めてよ。」
あ、そうか俺は”十勇者ミッション”でのレベル上げを参考にしていたからな。
あの時は、魔王城の結界が1年で消えるからそのリミットがあったんだ。
この世界では、時間制限が無いからな。そんなに焦らないんだろう。
また、個人でレベル上げをするから何処かで妥協が生まれるかもな。
「わかった、真美子そろそろ帰ろう。」
「よかったわ。これで帰れるのね。」
真美子は、相当こたえてたようだな。
俺たちはダンジョンのこの階の隅に転移ゲート魔法陣を設置し、周りに防御結界のアイテムを取り付け次回の攻略およびレベル上げに備えた。
そして、町の宿屋に転移で帰った。
◇
宿屋に帰って、俺は早速真美子に最上級回復魔法をかけようと思った。
「真美子、傷痕が残ってるから、最上級回復魔法をかけるよ。」
「はいテツさん。そう言えば、傷痕の治療って城の回復魔導士が行うのを見た時、治療される人は服を脱いでたんだけど、テツさんの場合は、私、服脱がなくていいの?」
そうかこの世界では、傷痕治療の場合は、服を脱ぐのか。
「真美子もその回復魔導士の前で脱いだのか?」
「ううん、脱いで無いわ。」
「え、じゃあ、傷痕は?」
「テツさんに初めて会った時、私は傷や傷痕だらけだったのよ。回復魔導士の前で、服を脱ぐのが嫌だから傷痕をそのままにしてたの。でも、テツさんがあの時最上級回復魔を掛けてくれたので、傷や傷痕は全て綺麗になったわ。」
「そうだったか。」
「あ、そうすると、私、脱がなくていいわね。うっかりしてたわ。」
な、そうか、もう実例を作っちゃったから、服を着たままでいい事になるな。
どうしよう。脱いでもらいたい。
「ま、真美子、実は服を脱いでもらって、傷痕を触りながら治すと綺麗に消えるんだ。俺の魔力の節約になるし。」
真美子は俺をじっと見た。そして言った。
「そうね。魔力の節約になるんじゃ仕方がないわ。」
よし、今後は、真美子の傷痕治療で触り放題だ。
「そうだ真美子、服を脱いでベットに横になって。」
「わかったけど、テツさん待ってて、自分の部屋でちょっとシャワー浴びてくるから。」
「え、そのままでも大丈夫だよ。」
「私が嫌なの。あとテツさんもシャワー浴びてよ。」
「え、それって?あれいいの?」
「何言ってるのよ。治療の後は夕ご飯よ。」
まあそうだな。
◇
そして、シャワーの後。
「それじゃこれでいい?」
と真美子は下着姿になり、俺のベットへ横になった。まだ丸裸は抵抗があるみたいだ。
「それでいいよ。それじゃ始めるよ。」
俺は優しい声で言いながら、手を傷痕に動かす。
俺は最上級回復魔法を、範囲を絞りながらかける。
手の周りだけが傷痕を修復する。
確かに魔力の消耗は減るが逆に集中力がいるなこの方法。
真美子は薄目を開けている。何をしているのか見ているのだろう。
たぶん真美子はドキドキだろう。顔も赤みが差している。
俺は、手で真美子の体をゆっくりと撫でながら最上級回復魔法を掛ける。それと共に魔力で悪戯をした。
魔力を見えない手のようにイメージして、真美子の体を撫でてみたんだ。
「あん!」
いい声が聞こえた。
「て、テツさん何か変なところ触ってない?」
「いやだって俺の手ここだよ。」
「そ、そうね。」
真美子は、納得行かないながらも、また薄目になった。
俺はそうやって、魔力での悪戯を途中に付けくわえながら、傷痕が無い所も念のためと言って触った。
真美子は、声を押し殺していたが何かつぶやいていた。体も少しビクビクとしている。
やがて、もう真美子は俺に文句1つも言わなくなった。
ちょっと行き過ぎたようなので、今回はここで治療を終わりにした。
そう、あくまでも治療だ。
「真美子終わったよ。」
真美子は答えない。あれ?
真美子の顔を見たらかなり緩んでいて、口も半開きだった。
「真美子、大丈夫か。」
「え、あテツさん。」
どうやら、真美子もいい気持ちで治療が終わったようだ。よかった。




