2-11 仕事の依頼
冒険ギルドで”タマタマ虹色大玉虫”の素材を売却しに行ったのだが、あの美人職員さんは休みだった。
その代わりに、むさい筋肉隆々の男が対応してくれた。
むさい筋肉隆々の男は、愛想笑いをして対応してくれたが、俺はその笑顔で少しダメージを食らってしまった。
気味悪いからその笑顔。
結局、”タマタマ虹色大玉虫”の素材は金貨9枚と銀貨2枚になった。おかげで俺のダメージは回復した。
ここから金貨2枚とって、真美子の誕生石とか買っちゃって、真美子とデートした時に夕焼けの公園で渡すとかすれば完璧かな?
ロマンチックに出来るよな。
◇
もう、午後6時頃だった。
俺は、真美子の部屋のドアをノックした。
ドアを開けると真美子が怒った顔で出てきた。
「何処に行ってたのよ。遅いじゃない。」
「いや、ちょっと、かかっちゃっ・・・・」
と俺の話し終わる前に、真美子は俺に抱き付いた。
「ど、どうした、真美子?」
「テツさんが居なくなっちゃうからよ。」
と真美子は涙目だった。
ちょっと帰るの遅すぎたか。
「すまなかった。」
「そうよ。テツさんが悪いんだから。」
「さあ、部屋に入ろう。」
「うん。」
とドアを開けて2人は部屋に入った。
・・・・・・
「真美子、今日は沢山儲けたぞ。」
俺は自慢げに言いながら、金貨7枚と銀貨2枚を出した。金貨2枚はプレゼント買うのでしまってある。
真美子はそのお金を見て目を丸くした。
「凄い!どうしたの?」
「”タマタマ虹色大玉虫”をたくさん狩ったんだよ。その甲羅の値段だ。」
真美子は俺を睨んだ。
「テツさん、私、心配だったんだから、きちんと訳を話してから行ってよ。」
更に真美子はむくれた。
不味いな、喜んでくれると思ったんだがな。
とにかく謝ろう。
「ごめんごめん。今度から気を付けるよ。」
そう言ったら、真美子の表情がやわらいだ。
そして俺を見つめてきた。
お、これはキスの続き出来そうだな。
俺も真美子を見つめながら近寄った。
真美子は目を閉じた。
よし!キスタイム!
俺は真美子に手を伸ばす。
俺の手が真美子の肩に触れた時。
リリン!リリン!リリン!リリン!
と魔法通信機が鳴った。
ちっ!
俺は、魔法通信機の方を向いた。
「あれ?真美子、魔法通信機なんて持ってたのか?」
「ええ、ちょっと。」
と言って、真美子は魔法通信機を取った。
「もしもし、真美子です。」
「真美子さん。わたくし愛美です。テツさんいますか?」
と、愛美さんの声が部屋に響いた。
スピーカーモードだ。
「えーっと、・・・」
真美子はごそごそと、魔法通信機のスピーカーモードを切った。
あれ、俺への通信だよね。なんで、スピーカーモード切るの?
俺は真美子から、魔法通信機を取り上げてみた。
「はい。テツです。貴女はこの間の愛美さんですか?」
と話し掛けた。
「ああ、だめ!」
真美子はそう言って、魔法通信機を俺から取り上げよう手を伸ばす。
それ、あからさまに怪しい行動だぞ、真美子。
俺は、真美子の手を引っ張って、後ろに回し動けないようにした。
そして、俺の胸に引き寄せた。
俺は魔法通信機で、愛美さんと話を進める。
「テツさんに、旅行の護衛の仕事をお願いしたいのですけど。内容は・・・・・・」
と、愛美さんは話し始めた。
以下の内容だ。
①1週間後に魔法騎士育成学園の2年生女子クラスが、温泉宿へ実地訓練を兼ねた旅行にいくのでその護衛を一緒にしてほしい。
②報酬は金貨8枚。
③報酬とは別に真美子の”魔法騎士育成学園に入学する為の資金とその後の学費”の免除。
だった。
「そうか、それはいい仕事じゃないか?」
「そうですわよね。でも、真美子さんが断るって言っているのですわ。」
「え?真美子が断ってる?」
「ええ、そうなの。ですからテツさんと話せるようにかけましたの。」
「ちょっと待って、真美子に聞いてみる。」
と俺は真美子の顔を見て言った。
「真美子、”魔法騎士育成学園に入学する為の資金とその後の学費”を免除してくれて、おまけに”実地訓練を兼ねた旅行の護衛の仕事”の報酬も出るという、とてもいい条件なのに何で断るんだ?」
「そ、それは、テツさんに護衛の仕事をさせると目立つから、テツさん目立つの嫌じゃなかった?」
「あ、それはそうだな。うーん。」
俺は考えた。
そこに愛美さんが魔法通信機で話しかけてきた。
「テツさん。今の話し聞きましたわ。真美子さんとテツさん、2人とも雇いますし、テツさんは偽名で任務についてもいいですわ。」
「え?はい。愛美さん。俺と真美子を2人雇うし、国とかには名前は伏せておくって?」
俺は真美子の聞こえるようにワザと話した。
「それと、今回の護衛の仕事をすると、ギルドカードのクラスEになれますわよ。」
「それから、ギルドカードのクラスEにも昇格!」
ギルドカードのクラスEになれば、国境の検問など通るのが楽になる。
俺は即座に引き受けることにした。
「わかった、愛美さんその仕事受けるよ。」
そして、魔法通信機を切った。
「ちょっと、テツさん!」
と言って、真美子は俺に何か言いたそうな顔で見つめている。
「ん?なんだ?真美子、不満そうな顔をして。」
「だって、目立つ行動は神様に知られる可能性があるから嫌だったんじゃない?」
「まあ、そうだけど、今回俺は偽名が使えるし、学費と入学費もタダになるんだよ。」
「そうだけど。」
なるほど、真美子は俺に気を遣ってくれているんだな。やっぱり優しい子だな。
俺は真美子を見つめて言った。
「ありがとう。真美子、気を使ってくれて。」
そして、俺は真美子を抱きしめた。
真美子は俺に腕の中で、体を預けてきた。
やわらかい。いい匂い。
てっきりいいムードだと思ったが、真美子の顔を見たら微妙な顔をしていた。
あれ、仕事引き受けたのが不味かったのか?
その日は、町の外れの方の定食屋で食事を取った。
そこは、古びた定食屋だった。食事の時、その店のなじみの酔っ払いがいて、ムードも出せないまま宿屋に帰った。
おかげで今日も俺と真美子は、宿屋の別々の部屋で寝た。
俺は真美子を、最初は妹みたいと思ってしまったが、今はもう、とても可愛い女だし押し倒したい。
キスの後、ロマンチックとか恰好つけなきゃよかったかな?だけど、
俺の今の精力は99/99。
だから、たまり過ぎて気が高ぶっているのかもしれない。
真美子は初めてだし、もっと雰囲気があるときにしよう。
我慢我慢。




