2-57 竜の娘 2
1ケ月半が過ぎた頃、ラライナと男の竜族人が俺と真美子のもとに来た。
「テツさん、真美子さん、ダーダラーガに見つかっちゃった。もう帰るわ。」
とラライナが言った。そしてラライナの後ろには、2メートル近くある、全身鱗に包まれている竜族人が俺を睨んでいた。
「ラライナさん、その後ろの男が、ダーダラーガか?」
「ああ、おれに何か用か。人族。」
「そうだ、ダーダラーガさん、ラライナは、お前とは結婚したくないそうだ。」
ダーダラーガは俺を睨んできた。まあ、結婚相手に男が付いてちゃそうなるな。
「何を言っている。竜族人は強さがすべて、強いからおれはラライナを嫁にする。」
強さか。
「なるほど、それじゃ簡単だ、俺がダーダラーガ、お前に勝てばラライナを諦めるんだな。」
「は?人族はいつから冗談が言えるようななったんだ?それとも強さが分からないのか?」
そこに、ラライナが割って入った。
「ダーダラーガもう止めてあげて、あと、テツさんもういいよ。レベル上げあと1ケ月半かかるんだろ。今じゃ無理だよ。」
あと1カ月は、1対複数の為だ。1人なら問題はない。
「ラライナさん、ダーダラーガは単独だろ。」
「え、ええそうだよ、1人だ。」
「なんだ、1人じゃ悪いのか?」
「いや、最高だよ。」
「なるほどおれを複数でやろうって事か。いいだろう、俺のレベルを見て驚けよ。人族。」
ダーダラーガは認識阻害の指輪を外した。
ダーダラーガLV2336だったが、少しレベルが上がっていた。でもこれなら大丈夫だ。
「ビビったか、おれは竜族人でも2番目にレベルが高い。ラライナに免じて今なら逃がしてやる。」
一応、許嫁の言葉を尊重してる。やさしい奴なんじゃないか。でも仕事だからな。
「おーお、結構お優しいんだな。そのやさしさに免じて、なるべく殺さないでやるよ。」
「てめー!殺す。」
ダーダラーガは俺の言葉に切れて、右ストレートを放ってきた。
俺は左手でその拳を止めた。
ゴバーン!
拳の鱗が痛い。
「な、てめー!」
「おっと、ここじゃ被害が出るから南の荒原でやろうぜ。」
ダーダラーガは歯ぎしりをしている。
ラライナも俺を目を見開いて凝視していた。
「いいだろう。南の荒原で勝負だ。」
とダーダラーガは言って拳を引いた。
ラライナと真美子は俺達を、見つめていた。
◇
そして、荒原に俺とダーダラーガは向き合って立った。
真美子とラライナは俺達から離れて見ている。
「ダーダラーガ、剣で勝負か?それとも拳か?」
「人族よ、どっちでもいい。おれはこの拳でやる。」
「分かった。ちょっと待て。」
殺し合いではなさそうなので、俺は剣を地面に置いた。
鱗が痛そうなので、拳法の練習で使っているグローブを拳に嵌めた。
「よし、いいぜ。蜥蜴野郎!」
「なんだと!」
俺の挑発に乗り、ダーダラーガが大ぶりで殴りかかってきた。
俺はカウンターを出す。
ブン!
ダン!
しかし顔を回転させダーダラーガは威力を逃がした。出来る!
その後、ダーダラーガは連続で拳を放ってきた。
ブアン!ダアン!ブウウ!ドスン!ブンン!ダン!ブアン!ダアン!ブウウ!ドスン!ブンン!ダン!
俺は、ダーダラーガの拳の連打を躱しながら、カウンターを数発入れた。
ダーダラーガはそのカウンターに耐える。俺は死なないように加減しているが、普通耐えられないだろう。
これは龍神変化を出させて、それを叩きつぶし力の差を分からせないと止まらないな。
やっと、ダーダラーガの動きが止まった。
「ぜぇぜぇ!」
「どうした、龍神変化は使わないのか?」
「てめー!死にてえらしいな。やってやるぜ!”龍神変化”!」
ダーダラーガが輝きだした。竜の鱗に覆われた人型の竜が現れた。
龍神変化したダーダラーガの拳には、竜闘気が槍のように伸びている。
ダーダラーガは凄い速さで、俺に連続で突きを放った。
ダダダダダダダダダダダダアダッダ!
俺は全てをかわして、ダーダラーガの横に体さばきで移動し、右拳をダーダラーガ顔に打ちこんだ。
ばごん!
ダーダラーガは意識を失って倒れた。
「すげー!すげーよ。テツさん!」
と言いながらラライナは俺に駆け寄り抱き付いた。
あれ?イケメンじゃない俺は範囲外じゃなかったけ?
と、ラライナの柔らかさを堪能していたら、真美子が凄い速さで近寄って来て、俺とラライナを引き離した。
◇
しばらくして、ダーダラーガが意識を取り戻した。
そして、俺に負けを認めた。
その後、竜の国でレッドダイアモンドを手に入れた。
だが、その竜の国では、ラライナの両親が俺を婿にと言い出した。ラライナも俺を婿にと言い始める始末。
結局、竜族人の掟に従い、真美子とラライナが戦って真美子が勝ったことにより、俺と真美子は帰れた。
俺はヒロインになった気分だったよ。
ちなみにこの時のレベルは
俺 LV4173
真美子 LV1914
これで、人造聖剣の不足材料がそろった。




