2-55 竜の娘 1
俺と真美子は、”勇者試練のダンジョン”でレベル上げをしながら、冒険者ギルドの依頼の連絡を待っていた。
その依頼内容は”竜族人に竜の国の入国案内を頼みたい。”だ。
ようやく連絡があった。
俺と真美子は、冒険ギルドへ向かった。
冒険ギルドの個室では、冒険者で竜族人の娘ラライナLV1791が待っていた。
竜族人だけあってむき出しの腕や足には竜の鱗があった。でも、とってもチャーミングな子だ。
背丈は150センチくらいの高校1年生くらい。胸はちょっとない。
青いセミロングの髪に髪飾り絵を付けている。飾りの綺麗な宝刀も持っている。
ラライナは、その依頼をある条件で受けてくれると言ってきた。
その条件は、”竜の国で無理やり結婚させられそうだから強い男を探してる。その強い男を好きだと言って結婚を断る。”だ。
真美子に詳しく聞いてもらった。
「それでラライナさん。その強い男の方の条件は、強いだけでいいの?」
「いいや、出来ればワタシの本当の夫になる強いイケメンがいい。」
イケメンかよ。
「竜族人のイケメンねえ、難しいわね。」
「いや、人族でいい。竜族人は人とも子をなせる。だって、竜族人の男はキスするとき顔の鱗が痛い。」
そういや、ドラゴンの勇者サイナスも戦う時だけど、顔に鱗を生やしてたな。
「人族で強いイケメンって、ラライナさんはどんな人が好みなの?」
「中央国家の勇者の吹雪裕也が好み。」
裕也かよ!
俺と真美子は顔をに合わせた。
困ったときのイケメン裕也だ。最近大活躍。
真美子は俺に小声で話した。
「ねえ、テツさん。裕也さん、ラライナに紹介できないかしら?」
「俺もそう思ってたところだ。」
「じゃあ、師匠のテツさんが連絡してね。」
「ああ、わかった。」
とこそこそして話していると、ラライナが言ってきた。
「真美子さんだったけ。駄目なら帰るよ。」
「あ、ごめんなさい。」
おっと、フォローだ。
「そうそう、ごめん。ラライナさん。実は俺たち、吹雪裕也と知り合いなんだ。」
「本当か、おっさん。」
「ぐっ、おっさんじゃなくて”テツ”だ。」
「あ、テツさん。」
「で、吹雪裕也と連絡とるから会ってみるか?」
「もちろん!」
「それじゃ、準備できたら連絡するから連絡先教えてくれ。」
「はい、これが、魔法通信機の番号だよ。」
「ほい、それじゃこれがこちらの番号だ。」
とお互いの番号を交換してメモした。
「ねえねえ、テツさん、裕也ってどんな洋服が好みなの?」
「裸かな?」
「なに馬鹿言ってるのテツさん。ラライナさん、白いワンピースがいいわよ。あと、その鱗が隠れる長い手袋も必要かも。」
何言ってるだ!ピンクに決まってるだろ!
それは俺の場合か。
「あ、鱗ならほら、消せるんだよ。普段はいつ戦闘があるか分からないから出してるだけだよ。」
見ると、ラライナの手と足からは鱗が消えて、見た目は普通の女の子になっていた。
俺と真美子はそれを見て「へえ。」「おお、綺麗な肌だ。」と言った。
真美子は話を続けた。
「ところで、ラライナさんは、吹雪裕也に女がいても大丈夫?」
「え、女がいるのか?」
「ええ、ちょっと、でも特定の子はいるかどうかわからないわ。」
「それなら、奪うまでよ。」
凄い肉食だ。
「それじゃ、女がいてもいいのね。」
「いいよ。強い男なら、女がいて当然だよ。」
これなら、ヤリチン裕也でも問題はない。
◇
数日後、俺が連絡して裕也を連れてきた。
もう、裕也には、この仕事の事を話してある。
協力出来そうなら、協力するって言っていた。
そして今、中央国家のある喫茶店に俺達4人がいる。
ラライナは、真美子が言ってた通り。白のフリルが可愛いワンピースだ。
喫茶店のテーブルで、お見合いみたい感じでにした。
俺と真美子は、隣のテーブルで大人しくしていた。
「は、始めまして、アタシはラライナ。」
「はじめまして、オレは吹雪裕也。」
「ア、アタシ強い男を探しているんだ。なあ、裕也さん。アタシの婿のならないか?」
これは、いきなり直球だな。
「え、でも、オレたち会ったばかりですよ。」
「アタシは、魔族を撃退した裕也のことは知っているんだ。武闘大会の時から知っているんだ。婿がダメならまず付き合わないか?」
「ごめんオレには、最近好きな子が出来ちゃったんだ。」
おい、話が違うぞ。一回やるって言って無かったか?
「なっ!その子と勝負させろ。」
「駄目だよ。か弱い女の子なんだから。それに勝負してどうするの?ラライナさん。」
「力で勝って、裕也を手に入れる。これ自然の法則。」
ほなかみたいだな。
「2人ともストップ。」
「なんだよ。真美子さん、今いいところなんだ!裕也との会話に割って入るなよ。」
「ラライナさん、裕也さんは自分の女が傷つくのは嫌がります。勝負も傷つく方法じゃなくて、女子力で勝負してください。」
「女子力だって?なにそれ。」
「料理をおいしく作るとか。どれだけ彼氏にお世話出来るか。夜の運動のテクニックを持っているかとかです。」
真美子、それは違うぞ。
「真美子さん、夜の運動のテクニックは女子力じゃないのではないですか?」
「そうそう、裕也の言う通り、真美子、夜の運動のテクニックは女子力じゃないと思うぞ。」
「そ、そうなの?」
真美子は赤くなって黙ってしまった。
仕方がないので俺が話を続ける。
「ラライナさん、とにかく真美子の言う通り、女の子が力づくはいかん。」
「テツさんそれじゃどうすればいいいんだよ。」
「まず。デートして惚れさせなさい。」
「デート、わかった。」
「裕也。デートくらいはいいかな?」
「ええ、デートくらいなら、アイーナも許してくれます。心が広いんですよ。師匠。」
「なん、だと。そのアイーナさんそんなに心が広いのか!」
「はい、一夫多妻もOKなんですよ。でも、もう6人もいるので、家計がちょっと。」
「うらやましいぞ。いてっ。」
真美子は俺の腕を抓った。
ということで、ラライナと裕也がデートになった。
◇
デートの次の日、裕也は俺に相談に来た。
「師匠。ラライナさんの件なんですけど・・・・・」
と話し始めた。内容は以下の通り。
①ラライナの婿のなって欲しい。
②国に帰ったら、親が連れてきた結婚相手ダーダラーガと戦って倒してほしい。
③ダーダラーガはLV2306、龍神変化もできる。
④国に婿に行ったら帰って来れない。
だそうだ。
「師匠、助けて下さいよ。LV2306で、龍神変化なんて殺されます。」
「確かに裕也がLV1711じゃ殺されるな。魔獣合体はどうした?」
「あれは、LV1500くらいまでしか契約してません。もう魔獣合体は使わない方が強いです。オレもう守りたいものがあるんです。死にたくないです。」
「そうか。わかった。俺の方から断っておくよ。」
「ありがとうございます。師匠。」
と裕也は帰ってしまった。
まあ、守る女が6人もいちゃ仕方がないか。
「テツさん、ところで”龍神変化”って何?」
「”龍神変化”は竜人神の体を再現して変身して、その力を得ることだよ。全ての力が跳ね上がるんだよ。」
「そうするよ、LV2306がどのくらいになるの?」
「そうだな、LV2900~LV3453には成るかな。その個体の能力にもよるから、もしかしたらそれを超えるかもしれないけど。」
「それじゃ、私の妖精合体でも勝てないわよ。」
「そうだな。」
「でもテツさんなら勝てるよね。」
「わからない。」
「テツさんレベルいくつよ。」
「LV3898だ。」
「それなら勝てるじゃない。」
「1対1ならな。」
「そ、そうね。」
◇
次に日、ラライナを呼んで、裕也が戦うのが無理で勝てないということを話したら、結構簡単に納得してくれた。
弱虫は御免だそうだ。強者が基準なんだな。
それで俺が代理で、ダーダラーガと戦う事になった。
俺は1対多数を想定して、3ケ月間レベル上げをする事にした。
ラライナも俺は代理だからということで、レベル上げに納得してくれた。
また、竜の国に向かう前に俺のを実力をみると言っていた。
それと、竜族人は長寿なので、3か月くらい待つのは、どうってことないそうだ。
それにラライナは、その待っている3ケ月間、強い男を探すって言ってた。俺が好みでないのだろう。
ということで、”勇者試練のダンジョン”でレベル上げをした。
一緒に竜の国に入るから、真美子も半日はレベル上げをさせた。




