第6話 荒神と巫女
1000年前の御神木の呪い以外の脅威もある。
荒神神社。
帝都をおびやかす荒神がいた。
全国の霊力の高い僧侶が集まり、これを封じた。
「我は何度でもよみがえる」
封印をやぶった荒神との戦いが続いた。
ある時、荒神が言った。
「巫女との間に子供をなせば、我は静まる」
荒神は、巫女を“指定”した。
“黒木クコ”。
荒神神社の巫女だった。
生まれた子供。
“黒木アン”。
高すぎる霊力を秘める女の娘だった。
「帝都の平和を護る霊力者としろ」
荒神は、黒木クコと結婚した。
黒木クコは、言った。
「荒神って、よく見るとカッコいいですねえ」
荒神は、言った。
「第一印象から、黒木クコのことが気になっていた」
両想いだった。巫女と荒神。
共に、娘のアンを真っ直ぐに育てる。
娘のアンは、今、荒宿シティで霊力探偵をしている。
第6話 荒神と巫女
黒木霊力探偵事務所。
「パパ。ママ。何の用?」
アンは、両親を出迎えた。
「娘に会うのに理由は無いだろう。アン」
「元気ですかあ。アン」
黒木アラガミ。
黒木クコ。
アンの両親である。
とても仲の良い、ラブラブ夫婦だ。
「お久しぶりです。アラガミさん、クコさん」
ほうかさんは、紅茶の用意をする。
「ほうかさんとは、お付き合いを続けているんだな」
「結婚は、いつですかあ」
「え…と」
アンは、ほうかさんを見つめる。
ほうかさんは、にこやかに紅茶を準備している。
恋人だ。
お付き合いをしている。
でも、キスをしたことが無い。
キス以上も、もちろん無い。
これを、恋人と呼ぶべきなのか。
デートや食事は、何度かしたことある。
良いムードにもなる。
でも、それ以上が…無い。
「結婚は、まだです。まだ、キスもしたことがありません」
ほうかさんが言った。
「恋のライバルがいますから」
警視総監の天龍川さんか。
ほうかさんって、もしかして、天龍川さんに遠慮している?
呆気に取られるアン。
「私、天龍川さんのことは、何とも思って無いのよ」
「そうなんですか?」
「そうよ」
「じゃあ、今日、デートしてくれますか?」
「いいわよ!」
「デートの時に、キスしませんか?」
「する!」
アンは、思いっきりうなづいた。
アンの両親は、双方、笑顔で見守った。
荒神神社。
「神社でデートしたかったの?ほうかさん」
直行で、アンは、普段着のまま来ていた。
「ご両親の縁結びですからね」
ほうかさんも、普段着のままだ。
神社内。団子屋台。
二人して、アンコ団子を買う。
座る場所を探して、座る。
「じゃあ、キスしていいですか?」
ほうかさんは、突然言った。
「え?あ、い、いいわよ」
キスの言葉に緊張する。
ちゅ。
フレンチキス。
初めてのキスは、アンコの味だった。




