第2話 幻身狩り
警視庁。
「荒宿シティの自然公園で、幻身の目撃情報か」
天龍川大知。
若き警視総監。
黒い長い髪を後ろでひと結びにしている。
アンに、片想いしている青年。
依頼はアンにしか頼まない。
「レディの出番のようだ」
彼女は、あざやかに、霊的事象を解決する。
黒木霊力探偵事務所。
ピコン。
アンのスマホに、メールが届く。
[指名だ。レディ
荒宿シティの自然公園に幻身出現。
解決を期待する]
「天龍川さんからね。依頼だわ」
「依頼ですか」
「行くわ」
「僕も、一緒に行きます」
アンとほうかさんは、同時にうなづく。
「と、言うことで、女の娘。帰ってね」
「すみませんね。女の娘」
背の低い女の娘を事務所の外に押し出す。
事務所のカギを閉める。
第2話 幻身狩り
荒宿シティ。
人々の集まる不夜城。
荒ぶる感情が眠る一大都市。
ここでは、1000年前から、動く人形の出現騒ぎがある。
人形が、動く。
動くはずの無いものが、動く。
それは、一般人の恐怖を呼んでいる。
1000年前の御神木が人間に切られた。
その樹の霊力が、非力な人形を作った。
人形=“幻身”。
樹の願望は人間を呪うこと。
人間を許さない。
幻身は、樹の呪いが形となったもの。
樹の霊力が、暴走すると幻身が出現する。
街に現れる幻身は、昔は、木の人形。
今は、動くマネキンとなった。
そんな感じ。
自然公園。
公園内は、警察によって閉鎖されていた。
「霊力探偵よ」
「助手です」
顔パスで、二人は公園内へ。
「どうします?」
「霊力で、探すわ」
アンは、片手で印を組む。
「特殊霊力“千里眼”」
頭の中に、公園内の霊力感知が広がる。
一体の幻身のターゲットが見つかる。
「いたわ。行きましょう」
イチョウの樹の下。
ぎしぎしとうなっている。動くマネキンがいる。
「貴女は、ただ散歩でもしているのかしら」
アンは、腰にかけた、丸まったムチを手に取る。
動くマネキン=幻身は、非力だ。
ただ、荒宿シティの街の中に出現する。
住人かのように、歩きまわる。
それは、人間の街の住人に恐怖を与える。
「迷惑かけちゃ駄目よ」
ギシ…ギシ…。
【メイワク…カケチャ…】
「おお、神よ。この魂に慈悲を…」
「優しくするのは、私にだけにして欲しいわ」
「全てに、優しくしたいんですよ」
「優しすぎるわ」
アンは、霊力をムチに込める。
「貴女は、この街の住人じゃないわ」
ムチを振り上げる。
ビシッと。
バシッと。
動くマネキンが、崩れ落ちる。
「さよなら」
黒木霊力探偵事務所。
入り口に、女の娘がうずくまっていた。
「…帰ってないの?」
「大丈夫ですか」
戸惑うアン。ほうかさんが、女の娘の元に駆け寄る。
「パペットちゃん…」
寝言。
眠ってしまっているようだ。




