↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/30

家にて

たまに遅くなると説明を家族にすることがありますが、ミノルもそれをしているようです。

 あの後家に帰った時に、母親はミノルからどうして遅くなったのか理由を聞いて、嬉しくなった。

 まっすぐ帰ってきてくれるのは、親として嬉しい気持ちが無いわけじゃない。当然、嬉しくも思う時もある。寄り道して無駄遣いしてないとわかったり安全を確認できて安心するからだ。

 だが、だからと言って、何も自ら買い求めないようでは、それはそれで心配になる。

 高校生になってから2.5次元アイドルの品物を手にしようと休日に、買い求めに向かう姿も時折あるのだが、それでも同年代の子と比べると、恐らく寄り道して帰ってくるということが少ないだろう。

 母小春は、思った。

 自分が買い揃えすぎていて、買い物をさせる機会を失っているのではないだろうか、と。

 そう考え始めている小春は、ミノルがクラスメートと文化祭の準備の帰りに休んだ分の準備の様子を教えてもらえたというのだ。しかも学校以外の場所でだ。これすなわち青春のあるある一ページ。

 この話を聞いている小春の目は輝いていた。

 当人よりも嬉しそうにして、機敏な動きを見せて猫に向かってはしゃいでいる。不思議そうにミノルが、

「どうしたの?」

とたずねると、

「うううん。そうだなぁ。母さんはミノルがクラスの人とも仲良くやれているようで安心したの。だからこれからも話をしてくれるクラスメートを大事にしなさいね」

「ああ。今度の休みに夏休み明けにあったテストについてできなかったところの勉強会することになって。学校近くの図書館に行くことになったから」

「まぁ、あなたも誘われたの?」

「母さん。俺はどうも彼らの中で一番テストの点数が良いらしい」

「まぁ」

ゆっくり、驚いて見せる小春。

 成績を見せていただいてきた限り、勉強は少し苦手なのだろうと察していたのだった。

「それを知った鈴木さんが一緒に勉強しようって。それでそれじゃ、俺もという話しになって、他二名も参加することになった。いわば俺の点数がきっかけで行おうってなって」

「あら、ふふふふふ。楽しみができたのね」

小春は少し考えてから、訊く。

「その鈴木さんという方はどんな方なの?」

「え。どんな。同じクラスの女子で、向上心があって責任感もある人な感じかなぁ。時折無理してそうな気がして、そんなに頑張らなくても良いのにって思うよ」

「そう、そうなのね」

 小春の表情はニコニコニコニコしている。

 ミノルは不思議そうにしながらも、反省した。自分が友人の名前を出してこうして休みの日に出かけると親に告げたのはいったいいつ以来だろうかと。

 あまり休日に友と出かけないミノルの行動スタイルに、実は母親として心配していたということに気が付いたミノル出会った。

 大き目のグラスを取り出して氷と冷凍のフルーツそして牛乳を知れて、バニラアイスを乗せる。フルーツを多めにすると美味しく出来上がる。

 ストローと柄の長いスプーンをグラスに沿えて、母親に差し出した。

「な、なに?どうしたの?」

「一般的にいうと、日頃の感謝というやつ、ものでございます」

「そ、そう?」

「そう」

「これ、ミキサーにかけたいんだけど」

「うん、素材を楽しむならこのままで、シェイクで味わうならミキサーだろうね」

「もう、掛けるから」

「お好きにどおぞ」

 ミノルは飲み物を持って、二階の自分の部屋に鞄を持って移動して行った。後ろでは、母親がミキサーを出している。

 自分の部屋に戻ると、この前のテストのプリントを机から出す。自分で振り返ってみる。

「いや、見たくなかった」

そう言って、目を背けて机に裏返して置く。ため息をついて、休日使う鞄に入れた。学校のカバンの中身を出して、明日の授業の教科書やノートを揃えていく。

 そんなに己の点数が低いのか。己の友も周囲の人間も成績が良い人たちに違いない。たまたまそんな成績の良い方のメンバーといたということだろう。

 落ち込むのもこれくらいにして、気分転換に、音楽を掛ける。

 アイドルの曲から流行の曲そしてなぜか懐かしのアニメに使用されたクラシックの曲を聞いて、気持ちを上げていった。

 すっかり上機嫌なミノルは階下に降りていくと、サクが菊池と帰宅していることに気が付いた。

「二人とも、おかえり」

「ただいま」

「ただいま」

「あれ、母さんは?」

「あそこ」

サクの指さす方へ見ると、リビングでヘッドフォンを付けて、大画面のテレビで映画を観ている。手にはシェイクにされた飲み物とお菓子がある。

「なるほどお寛ぎのようで」

「そう」

「サクたちもあれ飲むか?」

「いい」

としかめっ面をしてサクが断る。

「甘そうだし。普通のフルーツでジュースがいい」

「フレッシュさを求めるな」

と言って、冷蔵庫からジュースを取り出して渡す。

「菊池は」

「俺は」

「飲みなよ」

「連悪来てた時のことが」

「俺にあれこれ当たらないでくださいね」

「え。もう、わかった」

「イライラしない。他の好きなことを考える。将来こうしていきたいなについて考えたり簡単な行動を行ってみる。これが良く効くんです!」

「そう?」

「そうです」

「そうだぞ」

二人の説得にサクは頷いて、「ありがとう」とお礼を言った。

「菊池、これからゲームするけど一緒にするか?」

「そのお誘い有難いのですが、やることが」

「そうか。じゃ、俺自分の部屋に戻るから」

「では、確かに送り届けましたので、気を持って大切に」

「ええ」

「それでは」

「待って、コレお礼」

と言って、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して渡した。

 サクから受け取って菊池は帰っていった。

 サクもそれからは何事もなかったかのように、自分で決めていた行いたいことを行っていく。

 いつもの日常が、彼らを優しく包む。

 父親が帰宅した頃にはすっかりいつもの調子に戻っていて彼らは、楽しそうに父親に今日の出来事のようにして近況を話した。

 サクへ向坂という姉が双子の弟を付き合う相手に推薦してくることで目立ってうわさになっていること。ミノルが鈴木さんと他クラスメート二名と休日に勉強会を行うこと。

 それれを告げられて、目が点になって「うちの子供たちがとうとう高校生の青春を謳歌し始めている」と嬉しそうに夕食を食べる。

 ミノルが作ってくれたものを小春がシェイクして父正美へと食後に与えて、

「甘いー」と言わしめていた。

 サクはこの明るい朗らかな家族との団らんに、心が安らいでくる心地がした。自分が感じている以上に、緊張でもしていたようだ。そのことに気が付いて焦る。

 ミノルがその時サクの肩に腕を回して、訊いてきた。

「ところでサクの二学期夏休み明けのテストどうだった?」

「どうって」

「最低で何点?」

「八十点台だけど」

「お、お前もか。お前も俺の周囲の中で点数良い方の部類に入る人間なんだな。俺の周囲は頭の良い人で出来ている」

「あはははは。何言ってるの」

「俺と一緒にゲームしよう。ほら、飲み物持って」

「わかったからいったん離れて」

「頭いいエキスを俺に」

「そんなの無いから」

「分かったよ」

「もうこの酔っ払いもどきが拗ねるな」

と言って、飲み物とお菓子を持ってミノルと二階に上がって、お互いの携帯ゲーム機を持ってミノルの部屋で一緒にRPGの冒険ものに出かけた。

 いつぐらいぶりか。

「わー、最終プレイ日時が三年前になってる」

「こわー、そんなに経ったのか」

「そうだよ」

「生きてる?」

「いや、画面見れているでしょう」

「ああ、そうだった」

 二人の画面でのオープニングの映像も流れ終えて、自ら確認し始めていた。

「久し振りにオープニング映像見たけれど、可愛いね」

「そうだな。こんなかわいい世界憧れるな」

 登場人物が三頭身で可愛くデフォルトされているキャラクター達が同じく可愛くデフォルトされて表現している自然豊かな世界で生きている。

 とても楽しそうだ。

 二台の携帯ゲーム機を無線で繋ぐ。そして、チームを組んで、そのゲームの世界を駆けだし始めた。

「ちょっと、どこいくの?」

「いや、こういう時は駆け出して堪能するものだろう」

「わんぱくお子様か!」

「ええー、そんなつもりは」

「どのクエストする。それとも少しモンスターを狩ったら釣りのミニゲームでもする?」

「なぜオッサン臭くならなならん」

「釣り=オッサンじゃないから」

「わかった。たとえ女性が釣りを好きで楽しんでいようと、もう少しクエストをクリア目指そう」

「もう、わかった。一つか二つ。夜の十時までなら付き合うから」

「よし、決まった。行くぞ」

「うん」

 二人でこうしてゲームを楽しむのは本当にミノルが中学生二年生の時で、サクも中学に上がって間もなくの頃だった。次第にあの頃のように、楽しそうな笑い声や掛け声がミノルの部屋から聞こえるようになった。

 上階の子供たちのそんな楽しそうな声に、夫婦も心をほっこりさせて抱きしめ合った。

「さぁ、あなたもお風呂入ってきちゃって」

「ああ、有難くお風呂いただくよ」

「ええ、いってらっしゃい」

 夫の正美がお風呂場へと着替えを持って移動するのを見届けると、小春はキッチンに戻って後片付けをしていった。

 猫を見ると、横になってゆっくりくつろいでいた。

 とたんに小春はほほ笑む。

「可愛いなぁ。なんでだろうなぁ」

 猫の可愛さへの疑問を口にしながらも、頭の中は猫の可愛さで埋め尽くされていく。食器を片付けていく手も軽やかだ。

 時折歌うようにして体を動かし、ほほ笑んでいる。

 昔覚えた役の物まねのようだった。

「なんちゃってね」

と言って照れ隠しにほほ笑んでいる。

 翌朝、いつものように菊池が先に朝食を頂いていて、サクが下りてきて挨拶を済ませると食べ始める。そしてミノルが起きてきてこちらも挨拶を済ませると彼らに交じって食べ始める。

 小春は猫に餌を与えて、目出ていた。

 三人がいつも様に、小春に見送られて学校へ向かった。






近況報告をしていなかったような気がして、学校生活についての報告を母親にしてから父親にもしていく。そんな団らんシーンにしてみました。

サクのメンタルのケアにもつながっていればと願います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。