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幼なじみ公爵令息様の本気が、最近ちょっと怖いです  作者: ayami


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30/31

第30話 「はじめての喧嘩と、はじめての仲直り」

新居生活が始まって、二週間。


 私とレオンは――


 基本的に。


 ずっと仲良しだった。


 ……でも。


(……最近……)


(ちょっと……重い……?)


 ある日の午後。


「……リリア」


 レオンが言う。


「……今日は」


「……外出予定があるな」


「……はい」


「……ミレイアとお茶です」


 その瞬間。


「……何時に帰る?」


「……夕方くらい……?」


「……誰と行く?」


「……え……?」


「……場所は?」


「……えっと……」


(尋問……?)


「……レオン」


 私は小さく言う。


「……ちょっと」


「……心配しすぎじゃ……」


「……心配だ」


 即答。


「……君は」


「……無防備すぎる」


「……でも……」


 私は、少しムッとする。


「……私だって」


「……一人で出かけられます……」


「……危ない」


「……過保護すぎます!」


 思わず、声が大きくなる。


 沈黙。


 レオンの表情が、固まる。


「……過保護……?」


「……俺は」


「……守ってるだけだ」


「……でも……」


 私は俯く。


「……息が詰まります……」


 言ってしまった。


 空気、凍る。


「………………」


 レオンは、しばらく黙って。


「……そうか」


 低い声。


「……悪かった」


 それだけ言って。


 部屋を出ていった。


(……え……)


(怒った……?)


 その日。


 私たちは――


 ほとんど話さなかった。


 夜の寝室。


 別々のベッド。


(……気まずい……)


 私は、布団の中で後悔する。


(言いすぎたかも……)


(でも……本音だし……)


 すると。


「……起きてるか?」


 レオンの声。


「……はい……」


 彼は、ゆっくり近づいてくる。


「……昼のこと」


 静かに。


「……考えた」


 私は、体を起こす。


「……俺は」


「……怖いんだ」


「……?」


「……君を失うのが」


 拳を握る。


「……昔から」


「……大切すぎて」


「……どうしていいか分からない」


「……縛ることでしか」


「……守れなかった」


(……そんな……)


「……でも」


 レオンは、まっすぐ見る。


「……それは」


「……愛じゃないな」


「……ごめん」


 深く頭を下げる。


 私は、胸が締めつけられた。


「……レオン……」


 私は、彼の手を取る。


「……私も……」


「……言い方、悪かったです……」


「……嫌いになったわけじゃないです」


「……ただ……」


「……信じてほしかった」


 沈黙。


 そして。


「……信じる」


 レオンが、はっきり言う。


「……君を」


「……全部」


「……でも」


 少し照れて。


「……心配は」


「……やめない」


(やめないんだ!?)


 私は、思わず笑う。


「……それなら……」


「……ほどほどでお願いします」


 レオンも、微笑む。


「……努力する」


 次の瞬間。


 ぎゅっ。


 強く、抱きしめられる。


「……離すかと思った」


 小さな声。


「……離しません」


 即答。


「……私の旦那様ですから」


「……まだだ」


 即ツッコミ。


(でも嬉しそう)


 その夜。


 二人は同じベッドで眠った。


 手をつないで。


 こうして。


 始めての夫婦喧嘩は、


✔ 本音共有

✔ 信頼アップ

✔ 愛情深化


という結果で終わったのだった。


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