第24話 「学園中に広まった、私たちの噂」
月曜日の王立貴族学園。
私は、正門をくぐった瞬間に――
違和感を覚えた。
「……?」
(……視線、多くない……?)
ひそひそ。
ざわざわ。
「ねえ……」
「あの人じゃない?」
「公爵家の……」
(……え?)
隣を見ると。
レオンは、いつも通り冷静。
……のようで。
手、しっかり握ってる。
(離す気ゼロ……)
「……レオン」
小声で聞く。
「……何かありました?」
「……ある」
即答。
重い。
「……昨日」
「……庭園で」
「……見られていた」
「……えっ!?」
私、青ざめる。
「……貴族令嬢数名」
「……騎士見習い二名」
「……使用人一名」
(多すぎません!?)
教室に入った瞬間。
「リリアーーーー!!」
ミレイア突撃。
「ちょっと!!」
「何あれ!?!?」
「……な、何ですか……?」
「王立バラ園!!」
「二人きり!!」
「額キス!!」
「将来語り合い!!」
(全部知られてる!!?)
「誰情報!?」
私、悲鳴。
「庭園管理人の娘の友達の従姉妹」
(情報網すごい……)
周囲。
女子生徒、集結。
「本当なの?」
「レオン様って溺愛系?」
「いつから付き合ってるの?」
「結婚いつ?」
(待って待って待って!!)
私は完全パニック。
そのとき。
「……騒がしいな」
低音。
レオン、登場。
教室、静寂。
「……事実だ」
淡々。
「……俺とリリアは」
「……恋人だ」
「……ええええええ!!!」
大合唱。
(まさかの公開宣言ーーー!!)
私は慌てる。
「れ、レオン……!?」
「……否定するのか?」
不安そうに見る。
「……しません……」
小声。
レオン、満足。
そして――
机の前に立つ。
「……ついでに言う」
空気、張りつめる。
「……婚約者でもある」
「「「!?!?!?」」」
教室崩壊。
「……だから」
「……ちょっかいを出すな」
威圧。
(宣戦布告!?)
男子生徒たち。
一斉に目を逸らす。
「……以上だ」
席に戻る。
何事もなかった顔。
私は、呆然。
「……れ、レオン……」
「……恥ずかしいです……」
「……事実だ」
即答。
「……隠すつもりはない」
「……君は俺の大切な人だ」
(重い……好き……)
昼休み。
中庭。
私たちはベンチに座っていた。
「……すごいことになりましたね」
「……後悔しているか?」
真剣。
私は首を振る。
「……いいえ」
「……誇らしいです」
レオン、一瞬驚いて――
優しく微笑む。
「……ならいい」
その様子を。
遠くから見つめる影。
「……ふーん」
エリオス。
「……完全に本命か」
意味深な笑み。
「……面白くなってきた」




