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幼なじみ公爵令息様の本気が、最近ちょっと怖いです  作者: ayami


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第25話 「嫉妬事件、再発しました」

私とレオンは――


 順調だった。


 ……はずだった。


(最近……)


(なんだか視線が多いような……?)


 昼休み。


 図書室。


 私は、課題用の本を探していた。


「……あ」


 高い棚。


 届かない。


(う……あと少し……)


 そのとき。


「取ろうか?」


 後ろから、優しい声。


「……え?」


 振り向くと――


 エリオス。


「……エリオス様……?」


「久しぶり」


 にこっと微笑む。


「相変わらず可愛いね」


(さらっと言うなーー!!)


「……あ、ありがとうございます……?」


 反射でお礼。


 エリオスは、軽々と本を取って渡す。


「はい」


「……助かりました」


「どういたしまして」


 満足そう。


 その瞬間。


「……何をしている」


 低音。


 背後。


 レオン。


 無表情。


 でも目が怖い。


(やばい……)


「……ただ」


 エリオスが笑う。


「困ってたから助けただけ」


「……必要ない」


 即答。


「俺がいる」


 独占宣言。


 図書室の空気、凍結。


「……れ、レオン……」


 私は慌てる。


「……大丈夫です」


「……何もありません」


「……それが嫌だ」


 ぼそっと。


「……?」


「……他の男に」


「……優しくされるのが」


 正直すぎ。


(かわいい……)


 放課後。


 中庭。


 私は、レオンと並んで歩いていた。


「……怒ってます?」


 小声。


「……怒ってない」


 即答。


 でも不機嫌。


「……嫉妬しているだけだ」


 素直。


(成長してる……)


「……でも」


 レオンは足を止める。


「……怖い」


 ぽつり。


「……君が」


「……誰かに取られるのが」


(そんな……)


 私は、そっと彼の袖を掴む。


「……取られません」


 はっきり。


「……私は」


「……レオンの恋人です」


 彼は、目を見開く。


「……それに」


 私は続ける。


「……レオンが一番です」


 沈黙。


 次の瞬間。


 ぎゅっ。


 強く、抱きしめられた。


「……っ!?」


「……反則だ」


 耳元で低く。


「……そんなこと言われたら」


「……離せない」


(心臓ーー!!)


 遠くから。


「うわー」


 アルトの声。


「昼間から重いね〜」


「……見るな」


 即威圧。


「はいはい」


 アルト退散。


 私は、そっと言う。


「……嫉妬しなくても」


「……私は逃げませんよ?」


「……約束だな」


 真剣。


「……約束です」


 指切り。


 小指、絡める。


 その様子を。


 木陰から見ていた人物。


「……やっぱり強いな」


 エリオス。


 苦笑。


「……本気で愛されてる」


 そして、静かに呟く。


「……敵わないか」


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