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異世界制圧奮闘記  作者: 大九
第3章 入学編
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第5話 再会とトルチェの正体

「あら、瀕死の状態からなんとか助かったなんて聞いたから、柄にも無く慌てて来ちゃったけど随分お盛んなようね。()()の私を差し置いてそんな楽しいことをしているなんて。そこの雌狐もさっさと離れなさい。」

未だ、僕に抱きつき顔を埋めているトルチェ。扉には顔にありえない青筋を浮かべているサラ。サラの後ろにはキャニの目を両手で隠して「あれを修羅場と言うんですよ。キャニにはまだ早いから見てはいけませんよ。」とミルテさんがコロコロ笑っている。

そのまま、沈黙が支配する。

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


静寂を破ったのはアニーであった。サラたちが来た時もしばらく土下座を続けていたが、あまりの静寂に不安がって顔を上げた。そして、後ろにいたミルテさんの顔を見た瞬間、口をパクパクと開け驚きの声を上げたのだった。

「み、ミルテアーテ皇后陛下、な、なぜこのようなところへ?確か、陛下のお国は・・・。」

「あら、久しぶりね、アニーちゃん。あなたがいるってことはそこでチカラくんに抱きついているのはトルチェリーナ殿()()?」

殿()()

今、ミルテさんがものすごいことを言ったように感じたけど?

トルチェは二人のやり取りを聞いてガバっと顔を上げるとミルテさんの顔を見た。そして、まるで幽霊でも見ているかのように驚いた顔をした。

「ほ、本当にミルテアーテ様?よくぞ、ご無事で。御国の話を聞いて心配しておりました。とすると、そちらはキャニエル様で、こっちで私を睨んでいるのがもしかしてサラ?」

トルチェの目は信じられないといった風に見開いていた。

「トルチェ?あの時、私の料理を美味しいって言ってくれたトルチェなの?」

「そうよ、サラ!会ったのは何年も前で私もあなたも随分変わってしまったけど。」

サラも驚いた顔のまま、トルチェの方に近づいた。そのまま、ビシッと抱きしめた。できることなら、2人が存在を忘れた僕の上で抱きしめ合わなければ良かったのだけど。

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


「ダーリンには改めて自己紹介します。私はトルチェリーナ・バルミカル。このバルミカル王国の第一王女にして唯一の皇位継承権保持者です。」

「アニエス・フラーベルです。トルチェリーナ殿下の侍女をさせていただいております。」

結局、感動の再会の後、宿の中で丸く座って話をすることとなった。

この王国では基本的に王族の子どもはある一定の年齢に達すると成人するまで庶民の中で暮らすらしい。最も庶民よりは貴族の生活に近いようだが。そして、現国王の一人娘であるトルチェもこうして市井で暮らしているらしい。そして、自分の婚約者を探して、成人のときにそれを連れて王宮に帰還する。それが慣例になっていた。最も普通の例とすれば、途中で正体に気付いた貴族が自分の子女を送り込んで婚約させるみたいだが・・・。


サラとトルチェが出会ったのはまだトルチェが城にいる時だった。アニーはこのときはもうトルチェに仕えていたし、サラを連れてきたミルテさんに会っていたらしい。たった一度の出会いだったがサラとトルチェは意気投合し、その後も文通をしていた。

実際、サラの国が滅んだ時、救出団を派遣するよう王に進言した。最もそれが組織されるよりも早く国が滅び、サラたちの消息は絶えていたらしい。白魔の予言については帝国内で厳密に情報統制され、外部に漏れることがなかったので、トルチェは半ば諦めていたのだ。

その後二人はお互いの近況を話し合った後、2人並んでチカラに詰め寄った。


「で?チカラ様?トルチェの正体も解ったことですし、そんな王族と結婚できないと言って追い出して下さいませ。」

「い、いやそれを言ったら元王族のサラだって・・・」

「何かおっしゃいました?」

サラの笑顔が怖い。隣からは

「ダーリン、私と一緒になると王様になれるよ。これって超お得だよね。」

「王様には別になりたいとは・・・。」

「だ~り~ん?」

トルチェの眉がどんどんつり上がっていく。お願いだから、もっと優しく。

「はいはい、2人は少し落ち着きなさい。」

パンパンと手を打ちミルテさんが間に入ってくれた。

「ちょっと、話を整理しますよ。とりあえず、ふたりともチカラくんと結婚したいのよね?なら、簡単じゃない。2人ともチカラくんのお嫁さんになればいいのよ。このことは言っておいたはずよ、サラ?」

「だからって相手が他国の王族だとは聞いてないわよ!」

珍しくサラが噛み付く。

「まあ、私はどっちでもいいけどね。もともと、夫になる人に()()ができることくらい覚悟の上だし。」

「あらトルチェ?誰が()()だって?チカラ様の正妃は私なんだけど?」

まだ、誰とも結婚していないしかも一平民でしかない僕がなぜ正妃側妃争いが始まるんだろう。


結局場所を我が家に移し、トルチェたちの荷物も運び入れた。2人の間ではとりあえず正妃争いは保留になったらしく、しかし今後しのぎを削っていくらしい。できることなら、もっと平民っぽく平和な生活を送りたい。

「それは、無理なのですよ。」

心を読まれたのか、後ろからキャニがいきなりそう言って、リビングでサフィ、クリス、リースと遊びに行った。今日の中でこれが一番の謎の言葉だった。

バルミカルを逆にすればルカミルバです。

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