第1話 制服の試着
時系列的に、チカラが合格発表を終え、入学し、サラとキャニの入学の前ってことになります。3章の始めより少し後の時間設定です。
「お母様、見てください。」
キャニがお母様の方に駆けていった。その身にまとっているのは来週より始まる学校の制服である。チカラ様は本当に財力が豊富にあり、キャニが着た制服、そして私が今着ている制服2着で50銭もするのにさらっと払ってしまった。その制服が今日家に届き、早速私たち二人は試着しているところである。なかなか複雑な構造をしているので、先にキャニの着替えをしてしまった。そして、下で食事の準備をしているであろうお母様の方へ見せに行ったのである。さて、私も早く着替えてお母様に見ていただかなくては。そ、それに今は出かけているけど、チカラ様にも見て欲しいし・・・。
まず、上着の袖から腕を抜く。続いて、スカートを降ろし、下着姿となった私は鏡の前に立った。自分で言うのもどうかと思うが、15歳という割に私の体はスタイルがいいほうだと思う。お母様と比べるとまだまだであるが、発展途上の胸はサイズがCに上がった。お母様を考えれば、Eくらいまでは胸も膨らむと私は期待している。腰回りの丸みも程よく膨らみ、ウエストのくびれを際立たせる。これからの学校で習う行儀作法と一緒で女としても磨いて、チカラ様の隣にたっても遜色ないようにしなければ。特にあの子には絶対に負けたくない。チカラ様はこれからも多くの女性とのお付き合いをしていかなければならないし、その過程で私が一番になることなど到底ムリだ。でも、ちゃっかりこの家に居候を決めたトルチェにだけは負けたくない。
私がまだ姫の立場にあったときは、武術ばかり頑張っていて、膨らむ胸なんか邪魔以外の何物でもなかったのに。
そう思っていたら、下の方で少しがやがやとした感じがした。もしかしたら、チカラ様が帰ってきたのかもしれない。私は急いで、制服をとりまずは下着姿の上から体に当ててみた。うん、きっと似合っているはず。
私は、再び制服をかけ、靴下を取り出した。この学校は靴下も指定なのである。鏡の前で前かがみになって靴下を履こうとした瞬間、ノックとともにガチャっとドアが開いた。鏡の反対側が丁度扉になっている。靴下を履こうとした私は、必然的に扉の方へ下着姿でおしりを付き出したような格好になっていた。私は思わず、硬直してしまったがそれは向こうも同じだったらしい。私が恐る恐る振り返るとそこには扉を開けたまま固まっているチカラ様がいた。お互い気まずい空気が流れていたが、結局それを破ったのは私の上げた悲鳴であった。
その後、私はお母様にこってりと怒られてしまった。まあ、悲鳴に加え、またビンタを食らわせてしまったから仕方がない。でもお母様もお母様よ。確かに私は将来、チカラ様のものになるし、それについて全くの異論はないけど、まだ体を見せるのは恥ずかしい。いつか、チカラ様の前で全てをさらけ出し、猛るチカラ様の中の牡を受け入れてこそ、私のチカラ様への恩返しであると言われた。もちろんわかっているってば。でも、私たちにはまだ早いのよ。
それに、チカラ様もチカラ様よ。前に、服屋で洋服を選んで下さった時の事をもう忘れるなんて!!
次話、いよいよ服屋でのチカラくんの所業が明らかに。
更新遅れて、ごめんなさいです。
日間ランキング18位ランクイン!!拙著をお読みいただきありがとうございます。次話からしっかり、偶数日の正午更新を守っていきたいと思います。




