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チーズ姫と凸凹従者 ~街道爆走道中記~  作者: 熊猫太郎
第九章:黄金のハチミツ、電脳の禁足地
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第28話:蜂蜜

有限会社TIN(ティン)(Toyata International Network)での夜間バイト休憩中。なにげなく覗いたスマートフォン。唐突な等活地獄からの鉄の爪が僕の心を無惨にも切り裂いた…!


――――――――――――――――――――――――――――――


MIKA@修行中:


営業じゃないwwwそれただの送迎だからwww社長を使役したハイヤーとかwww至高の姫プ乙www #自立(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――


『なんだとォ!? このッ……最終的にはとくさんの工場だったがッ!!行く前の知らない会社へ訪問すると決めた覚悟ッ!!貴様にあの緊張が分かるかッ!!だが、確かに結果は送迎してもらっただけか…!?…いや、ネクタイ!! 自分の手作りでプレゼントしたぞッ!!あれでレスバするか?!ダメだッ、Clockのあの「私だけの一品物」発言、あれはSNSで公表すると価値が下がるかッ?!MIKAめ、毎回痛いところをッ!』


休憩時間のプレハブ事務所。


ぽっちゃり系の黄田(食いしん坊)が、スマートフォンの画面をニコニコしながら見せてきた。


「ねえねえ、みんな! そういえば、最近人気のハチミツ知ってる? 西三河の[伝説公園]で採れた天然ハチミツが、SNSでバズってるんだよね〜。甘くてコクがすごいんだって!食べてみたいなぁ……」


「は…はちみつ……?」


僕が呟くとClockがARメガネをスチャッと直し、即座に検索結果をフローティング・ウィンドウに投影した。


「左様でございますな。……成分解析によれば、極めて糖度が高く、滋養強壮に優れております。なお、以前接触した苔玉頭のカーボンユニットが、この蜂蜜販売の関係者である可能性が92%でございます」


「いいじゃん、みんなで行こうぜ!」と拳を握る赤井。


「…やれやれ…俺が姫にプレゼントしてやるよ。姫の喉には最高級の潤いが必要だ」と豪語する青山。


『ダメだッ!! 貴様らッ! これ以上、俺に尽くしてどうするッ!? 俺は自立しに来たんだッ! 働きもせず、貢がれるだけの妖精さんになどなってたまるかッ! ……そうだ。俺が、俺一人の力でそのハチミツを獲ってきて、みんなに配るのはどうだッ?! それこそが、騎士、いやバ友たちへの報い……いや、お返しになるはずだッ!MIKA、見ていろよッ!!』


「えっと、…はちみつ……いく…」


「よし!!じゃあ早速社長に車借りる準備を…」


――スチャッ。


「騎士団の皆様、お待ちを。合理的判断を翻訳いたします」


Clockが割って入る。


「どうやら坊ちゃまは、自らの手で採蜜を行い、皆様に感謝の意を表したいとのことでございます。……ご期待くださいませ」



「「「姫自らッ!? 尊すぎるだろッ ……!!」」」



騎士団の嗚咽がプレハブに響き渡った。


「マスター!!ハチの巣にはザイオンス効果を使ったトラップが仕掛けられているよ!!昆虫は精神攻撃が基本みたい!!気を付けて!!ブォォォォン!!」


「精神攻撃…虫なのに?…伝説公園…どんなところなんだろう…」


「………ございません」


――――――――――――――――――――――――――――――


REDDIT@knighthood:


心配だなぁ…やっぱついて行くか!?でもなぁ…



BLUECOLOR@knighthood:


そうだが、ここで甘やかすだけが、優しさじゃないだろ…?



YELLOWCURRY@knighthood:


うん…がんばってるもんね。やめとこうか…姫の気持ち大切にしたいし…


――――――――――――――――――――――――――――――

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