前世と今世
「、、、は?何、、言って、、」
「実は、私も異世界人なのです。ただ、時峰さんとは違って異世界転生でした。時峰さんは異世界トリップ。私は一度あの世界、、日本で死んでいます。」
「死、、?」
「はい、トラックに轢かれて。子供を助けてそのまま、、もう一度目を開けるとそこは見慣れない天井、そして私の手は小さくなっており、、生まれたばかりの赤ちゃんになっていることに気づきました。」
「、、、アリアーテは、、いや、鈴野さんはいつ死んだの?私は21歳になってこっちに来たわ。でも今あなたって16歳でしょ?まさか5歳のときにこっちに来たのはおかしいし、あっちの世界で16歳のとき、一緒のクラスだった。」
「はい。私が予想するに、おそらく同時に転送されたのだと思います。そして私はなんらかの原因で16年間が巻き戻り、そこから私は再スタートを始めたのです。」
「、、、なんとなく、分かった。話も通じるし、嘘の付き用がない話ね。」
「はい。」
「で?だから、なに?驚いちゃったけど、今更なんのよう?、、、あぁ、そうだ。さっきも言った通り、上にかけあってくれない?この世界にたった2人しかいない同志なんだからさ!同じ境遇に見舞われて災難だったよねぇ、異世界なんて。めんどくさいルールとか知識とかたくさん必要で困ってたんだよね。」
「そう。だったらずっとここにいる方がそんなめんどくさいことを気にしないで済むんじゃないかな。」
「イラッ、、そうだけど、こんな薄汚いところにいたくないの!しかもここで死ぬまでとかありえないし!私は世界に選ばれた人間なの、私がこんなところにいていいはずがない!」
「、、、そう思って、時峰さんは新島くんを奪ったんですよね。」
「、、、え」
「あのときは本当に驚きました。本当にこれは偶然か、本当は私が鈴野蒼空だと気付いて言っているのではないかと悩みました。でもただの偶然だった。私はそれのおかげで、ちゃんとあなたを恨むことができる。」
「は?」
「私は新島くんが好きでした。私の初恋です。地味だった私にあんなに笑顔で話してくれる彼が好きだった。」
「、、、」
「でも急に、何もしていないのに、拒絶された私の気持ちがあなたに分かりますか?!いつも時峰さんはクラスの中心でした。確かにとても綺麗で、フレンドリーな人だと思っていました。決していい人だとは思いませんでしたが、」
「なっ、、」
「なぜ私にあんなことを?新島くんに正面から向き合えば、あんなことをせずとも新島くんと想い合うことはできたはずなのに!あんなことをしなければ、私もここまで傷つくことはなかったのに!」
「、、、だって、そうじゃないと面白くないじゃん?」
「え、、」
「なんか気に食わなかった、ただそれだけ。私を差し置いて鈴野さんと話している優くんも、気に入られるあんたも。だから全部壊してやった。選ばれるべき人間は私であると再認識させておかないとと思って。」
「っ、、性根が腐っていますね。もう、あなたと話すことはありません。少しでも反省してくれていたら、、後悔してくれていたら、私の心も少しは晴れていたかもしれないのに。」
死ぬまでここで孤独に生きるのは、きっと何よりも苦しく辛いことだと思う。
でも、それは自業自得。
私はあなたに情けなどかけるつもりはありません。
さようなら、時峰悠紀。
そして、、鈴野蒼空。




