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最終奥義

最終奥義。


それは、その属性の中で最も強大で、難解な魔法。


魔力をたくさん使い、そう簡単には繰り出せない。


水属性の最終奥義は増涙(インクリティア)という。


一滴の涙から、大量の水を生み出し、大洪水を引き起こす。


あっという間に魔王城にあるこの部屋は水でいっぱいになった。


私とルナシス様を刺していた棘もなくなり、どうにかして水を操って水流を作り、ルナシス様の手を掴んだ。


そしてそのまま、この部屋の扉まで水流に体を任せ、扉の前で水圧を高くし、扉を開けた。


魔王城の扉はかなり頑丈で、私たち人間には開けられない。


勿論、部屋の中に水が溜まったって扉は少しも動かなかった。


実際水圧を高くして動くはどうかは賭けだったけれど、開いて良かった。


私たちを刺していた棘は、細く多くだったから、至る所が痛い。


水流のせいでさっきより血が出ていく感覚もする。


どうしよう、このままだと出血死になっちゃう、、


早くここから離れなければ。




私たちがいたところが一階じゃなかったからか、部屋から出た水は上には来なかった。


今は、暗い空の下、バルコニーのようなところでルナシス様の隣で横になっている。


出血が治ったわけではない。


さっきよりかは出血量が少なくなったものの、未だに止まることはない。


ずっと前から目眩がして、今にも寝てしまいそう。


でも、寝てしまったらそれが本当の最後だから。


隣にいるルナシス様は、、目を瞑っている。


残り少ない力を振り絞って、ルナシス様の体に触れる。


、、、まだ、冷たくなってない。


まだ、生きてる。


絶対死なないで、ルナシス様。


あなたが死んでしまったら、私は絶対にここで生きることを諦めてしまう。


お願いだから、、目を覚まして。




「、、、アリ、、ア?」




「えっ」


「、、、ふっ、空が暗いね。そうか、魔王城のある大陸にいるのだから、、仕方がないか。」


「ルナシス、、様、、?大丈夫、、ですか?」


「大丈夫、、と言いたいところだけど、そうもいかないな。早く回復魔法を唱えたいところだけど、僕を刺した棘には、、魔力を抜く力もあったみたいだ。僕は回復専門で、あまり魔法を使わなかったからね、、本当、アリアにばかり怪我を、、痛い思いをさせてしまった。、、レオシアに、、怒られて、しまう、、な。」


「ルナシス様、、しゃべらないでください。お兄様の前に、私が、怒ります、、よ?」


「、、そうか、ならば、、僕もアリアを怒ろうかな。」


「えっ、、」


「ふっ、嘘、だよ、、僕の唯一の弱点は、、アリア、だからね、、」


「な、なぜ、、、?」




「好きだよアリア。君と初めて会ったときからずっと、、僕の中心はずっと君なんだ、アリア。君にだけ意地悪してしまうのも、全部、、僕が不器用で、不甲斐ないからなんだよ、、」




、、、え?


ルナシス様が、、私を?




「ここでもし君に想いを伝えずに死んでしまったら、僕はこの世界に未練だらけで終わってしまう。幽霊になるのは嫌だからね、、しかも、普段の僕には、、勇気がなくて、言えないだろうから。」




ルナシス様が、、不器用?不甲斐ない?勇気がない?


そんなわけ、あるはずない。


だって、ルナシス様はなんでもできて、自信があって、、


これも私をからかっているだけ?


「こ、、こんなとき、に、私をからかわ」


「からかってない。僕、、は、本気だよ。」


っ、、ねぇ、どうしてそんなこと、今言うの?


そんなこと言ったら、本当に、、最期かもしれないって思っちゃう。


でも、、私も、後悔したく、ない。


私だって、、伝えないままこの人生を終えるのは嫌。




「ルナシス様、、私も、ルナシス様を、、お慕いしております。」




「ふっ、、そうか。それは、、驚いた。」


さっきより小さな声で言う。


あぁ、、、ダメ。


神様。


お願いどうか、ルナシス様を助け、、




「告白中に悪い。、、、が、実に、、面白い。」

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