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ルナシス様。


あぁ、、横で倒れている。


綺麗な顔が血で塗れている。


きっと私も同じだ。


こんな痛い思いするなら、、こんなところに来なければ良かった。


私ってさ、ただの、地味な、21歳だったのに。


車に轢かれそうな子供を助けたら異世界に転生してしまった。


そもそも、なんでなんだろう。


何か特別なことが私にあったわけじゃないのに。


悠紀がそうなるのは分かる。


だって悠紀は特別だから。


その「特別」良い方面か悪い方面かは別として、、皆の中心はいつも悠紀と新島くんだった。


私の初恋を捧げた新島くんも結局、私ではなく、悠紀を信じた。


私には何も残らなかった。


、、、あぁ、そうか。


私には何もなかったんだ。


何も持たない人間だったから、こんな異世界に飛ばされて、こんな痛い思いをしてるんだ。


きっとそうだ。


そうに違いない。


だってそれ以外に、私がこんな苦痛を味わう理由が分からない。


誰でも良かったんだ。


ただ、何も持っていない人間の中で、私が選ばれただけ。


神様の引いたくじが丁度私だっただけ。


ただ、、それだけ。




本当に?




なんでだろう。


この世界に来てから、初めてのことがたくさんなの。


それは異世界だからってことだけじゃなくて。


前世では作れなかったものができた。




私を本当に可愛がってくれる、お母様とお父様。




私を大事にして心配してくれる、レオお兄様。




私と一緒にいてくれる、エリー様やヘレス。




私の辛い気持ちを理解してくれる、ルークアン殿下やアリヤス・ニュープトン先生。




そして、、




意地悪ばかりだけれど、誰よりも私を気にかけて、大切にしてくれる、ルナシス様。




前世ではこんな人、いなかったんだよ。


新島くんでさえ、ここまで思わなかった。


新島くんの私への優しさの思いがそこまで高くなかったのもそうかもしれないが、


私も新島くんへの思いがちゃんと言えるほど高くなかったのかもしれない。




私が今ここで死んだら、悲しむ人がいる。


そりゃぁ、嬉しい人の方が多いかもしれない。


でも、、


それで、いい。


私の大切な人が悲しむ方が嫌だ。


私が今ここで何もしないで、ルナシス様も一緒に死んで、、、また、何も残らない。


前世と同じ道を辿って死ぬ人がどこにいる?


やりたいことまだたくさんあるんだから。


そう、、伝えたいことだってあるんだ。




ねぇ、ルナシス様。




いつも私に意地悪してくるの、最初はとっても嫌だった。


傷つくことばっかり言って、面白がって。


でも、自分のこと名前で言えとか、時々本音を言ってくれるところとか、それを聞くだけで、


全部全部、気にしなくなっちゃうんだ。


それほど、私、ルナシス様を特別に見ていたみたい。




そんな人を、、こんなところで無くしたりしたくない。


ルナシス様は何度も私を助けてくれた。


このまま悠紀の思い通りには、、させない。




「最終奥義、、増涙(インクリティア)

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