あのときの
「でもそれで信じちゃってあの子にひどい言葉かけてる時点で、全然信用されてないしそこまで愛もなかったって感じだよね。私が告ったら『怖いのか?』って言ってきて。名前呼びもあっさりオッケー。あのときの鈴野さん、、、チョー面白かった。」
長く、整えられた爪が強く握りすぎて皮膚にくいこむ。
私が、、あんなに辛かったというのに。
訳も分からず新島くんにとても辛い言葉をかけられて、
私が何をやったんだろう。
私はどこで失敗したんだろう。
、、、って、ずっと考えてたら眠れなかったのに。
涙もたくさん出て、もうどうしようもなくて、、
そこからだったかな、、本格的に塞ぎ込んで生きるようになったのは。
「あれっ?アリアーテ、血、滲んでるよ?痛くないの?」
「痛いわよ、、」
「じゃあ辞めなって、、」
「心が!!、、痛いのっ、、、貴女は何が言いたいの。そんな最低な話を聞いて、私がどんな反応をするか楽しみにしていたの?!とても低俗ね!!」
「、、、は?」
「つまり何なのかしら。私に黒歴史を打ち明けて、何を考えているのかしら。」
「、、、アリアーテ。言葉には気をつけた方が良いよ。」
「そのままそっくりお返ししますわ。」
「、、、私が言いたかったのは、私に嫌われたら、、もう貴族社会で生きてけないねって話。」
「脅しですね。」
「脅しじゃないって最初言わなかった?アドバイスだよ、アドバイス。私、聖女なの。この国の、キチョーな。、、、ねっ?侯爵令嬢なら、、分かるでしょ?」
「っ、、」
「だから、私の機嫌は損ねない方が、、」
「嫌ですわ。」
「は?」
「貴女が間違っていると思ったらこれからも指摘します。これは私だけの問題ではありません。『聖女』だけで生きていけるのは学園にいるときまで。本格的に学園を卒業した後そんな態度でしたら、ご婦人たちの陰口の的になりますわ。まぁ、、それでも良いのでしたら、ご自由にどうぞ。では、、これで失礼します。」
私は負けないの。
新島くん、、そんな嘘を信じてしまったなんて、確かに、私のことそこまで信じてくれてなかったのかな。
言ってくれれば良かったのに。
そうしてくれたら、、
私の初恋が実っていたのかもしれない。
「アリア。」
「なっ、、ルナシス様、、どうされました。」
「、、、手。」
「え?」
「血、滲んでるよ?何かあったんじゃないのかい?」
「、、、いいえ、そんな大したことではありませんわ。」
そうやって僕に心配させないように嘘ついてさ、
「痛そうだね。そうやって強がるの、辞めたら?」
「別に、強がってなんか、、」
勿論、この意味は傷だけではないが。
別に僕はわざと二人の話を聞いていたわけではなかった。
ただ、話し相手が話し相手だったから、、少し気になって。
そっとアリアの手を取り、右手をかざす。
「回復リカバリー」
淡い光が放たれ、再度見ると傷は跡形もなく消えていた。
「っ、、あ、ありがとうございます。」
「泣きたいなら泣けば?アリアの似合わない泣き顔なんて僕くらいしか見れないだろ、」
アリアに似合うのは泣き顔なんかではなくて、笑顔だから。
「ぅっ、、ぅぅぅ、、」
僕の腕の中で静かに泣くアリア。
こんなにも愛しいアリア。
アリアを傷つける者は誰だとしても許さない。




