本当の主人公
「あの噂、知っていますか?」
「勿論ですわ。転入生の話でしょう?」
「えぇ、、確か、イオラン公爵家の養子だと聞きましたわ。」
「でも、あのイオラン公爵家には御子息も御令嬢もいらっしゃるのに、、」
「だから、本当か分からないんですものね。」
「、、、え?、、、異世界、から?」
「あぁ。確か、『日本』という国、、異世界から来たらしい。彼女曰く、これは『トリップ』というもので、あちらの世界では空想の物語として描かれているものが多々あったらしい。」
、、、え、マジ?
おっと、久しぶりにあっちの世界の言葉を使ってしまった。
「実際そんなこと、あるんだね。そんで今はイオラン公爵家の養子でしょ?なんというか、、すごい運が良いね。」
「あぁ、僕もそう思っているよレオシア。そもそも、イオラン公爵家はリベリオ皇国一の発言力を持つ家だ。わざわざ異世界人を養子に迎えるメリットなんてないだろうに。、、、まぁ、『聖女』だからなのかもしれないが。」
「『聖女』?!」
「あ、アリア、急にどうしたの?」
「その方、、『聖女』なんですか?」
「あぁ、そうだよ。そんなに気になるかい?」
「い、いえ、、聖女なんて、この世界にも数人しかいらっしゃらない方じゃないですか。まさかそんな方が、異世界から来るなんて、、異例中の異例ですよね。」
「あぁ、そうだね。だから今、皇宮は大騒ぎさ。とりあえず僕がいるし、年齢的にも丁度良いからフェリエンテール学園に入学することになったよ。」
うわぁ、めんどくさそう、、
「あ、それと、クラスは君と一緒だよ、アリアーテ。彼女は15歳らしくてね。加えて聖女だから、君のクラスになったんだ。」
ゲッ
「嫌そうな顔をしているね、面倒ごとや嫌だって顔をしている。」
「アリア、、大丈夫、何かあったらすぐに僕に言って!」
「え、えぇ、、大丈夫ですわ、心配いりません。」
そうだ。
やっぱり、この世界の主役は私じゃない。
きっとその「聖女」だ。
しかも日本から来たんだってね。
別にズルいだなんて思わない。
この世界に慣れてしまっているが忘れているわけではない。
私は、地味な人生を送ってきている。
年齢=彼氏いない歴の私。
目立とうだなんて思っていないし、この世界の主人公は私じゃなくていい。
、、、でも、少しだけ。
少しだけ、、




