呼吸
「嘘、、、」
「ありえない、、」
「殿下にあんなことをするなんて、、レイ侯爵令嬢は何を考えているのかしら、、、!」
「ねぇ、あれどうするのかしら?!もし殿下が出られなかったら、、、!」
「殿下が死んでしまうわ!」
「やめた方が良いんじゃないのかーっ!!」
「度が過ぎてるぞー!!!」
「やめてーっ!!」
「先生、止めてくださいーっ!!!」
皆、何言ってるんだろう。
これくらいでルナシス様が負ける訳ないのに。
というか、ルナシス様に失礼でしょ。
いやまぁ別に良いけど。
私がやったことは、たった一つ。
水覆面でルナシス様を覆ったのだ。
普通の人なら窒息して死ぬ。
でも相手はルナシス様。
これくらいじゃないと効かないと思った結果。
、、、しかもどうせ、これも抜けてくるんだろう。
そんなときだった。
パシャンッ
「良かった、、」
「流石殿下だ、、、!」
「はぁ、、全然、効いてないですね。」
「いや、効いてると思うよ?」
そう言いながら、前髪をかきあげる。
っ、、
よくあるよね、こういう少女漫画。
漫画だけのことだ思ってたのに、、
こういうことする人、本当にいるんだ。
っていうか、する人はいるだろうけど、、こんなに絵になる人はそうそういないよね。
どうしよう、顔、赤くなってないかな、、
顔を見られたくなくて、思わず目をそらす。
「正直水中は息ができないし、体を動かすにも水圧で重たいからね、、何の魔法を出そうか考える時間がなかったよ。、、、ところでアリアーテ。」
「な、、なんでしょう、、、?」
「何か忘れていることはないかい?」
「え、、忘れていることって、、、?」
何かあったっけ。
まさか、、、いや、でもさっき私の魔法のおかげで、ルナシス様は他の魔法の維持なんてできな、、、、くない!
「ぁ、、」
「おや、気がついたようだね。」
そう言った瞬間、私の体はふわりと浮き上がった。
思わず氷結を下に向けてだし、地面との接触を試みるも、、
風のせいで逆にこちら側に固まってしまった。
、、、そう、ルナシス様の双風の不死鳥。
まだ、隠れていたのだ。
そもそも風だから視覚的に分かりづらいこともあるけれど、、音なさすぎでしょ!
自分の魔法でルナシス様の体勢を崩したから、もう消えていると思っていた。
、、、そう甘くはないらしい。
ここからどうしよう、まずは
「大風弓」
グサッ
実際何の音もないのに、聞こえた気がした。
私の胸に、何かが刺さった感覚。
どんどん、意識が薄れていく。
あれ、、、今、何が起こったんだろう。
私、負けた、、、?




