陰
「久しぶりね、ロナルド伯爵令嬢。」
「は、、はい、」
「はぁ?『はい』って何よ、はいって。ホント、あのときからマナーがなってないわね。」
確か、、この方は、12歳の、初めてのお茶会のときに会った、エヴァーズ侯爵令嬢。
あのとき、アリア様が私とお友達になってくれる前、アリア様と話していらっしゃった方。
『私も!私もそのお友達に入れてください!、、、ね、ロナルド伯爵令嬢も良いでしょう?』
、、、ものすごい圧をかけられたのを、今でも覚えている。
私は上手く答えられなくて、口籠ってしまったが、、
アリア様が、答えてくれた。
『私、仲良くなりたい人と友達になりたいの。だからあなたとはなれないわ、エヴァーズ侯爵令嬢。』
レイ侯爵家は、侯爵という位にいるにも関わらず、侯爵家とほぼ同等の権力を持っている家だと教えられた。
だから、レイ侯爵家のご令嬢であるアリア様とは皆仲良くなりたいと思っていたはず。
なのに私を、、私を、選んでくれた。
本当に、私の恩人であり、お友達であり、大切な人。
「私、今更レイ侯爵令嬢と仲良くなりたいだなんて思ってないわ。あのときはお母様やお父様に言われたから仲良くなろうとしただけだもの。」
「そう、、ですか。」
「私が言いたいのはね。もうレオシア様や殿下、レイ侯爵令嬢に近付かないでってことよ。」
「理由を、、聞いてもよろしいですか?」
「理由?ふっ、そんなことも分からないのね。一言で言うと邪魔なのよ。あなたがいるだけでレオシア様にも殿下にも近付けないわ。」
「わっ、、私は、殿下やレオシア様とあまりお話もしていません。私はただ、アリア様とお友達なだけで、殿下やレオシア様と特別関わりなど持っておりません。」
「はぁ、、レオシア様はレイ侯爵令嬢をとても好いているということは有名な話だわ。だからこそレイ侯爵令嬢は殿下とも仲が良い。その輪の中に入ることなんてとても難しいことなの。だから、、あなたが邪魔なのよ。あなたがいなくなってくれればそこに私が入るわ。あなたも勿論知っているだろうけど、私は侯爵家よ。未来の妃候補なの。、、、言いたいこと、分かるわね?」
皇后陛下や側妃になりたいと思う令嬢はたくさんいる。
アリア様はどうか分からないけれど、皇后陛下や側妃にアリア様はとても相応しい方だと思う。
聡明で、美しくて、沢山魅力を持っていらっしゃる。
アリア様は、大切な人。
だから、、アリア様を離れたくない。
「断ったら、、どうなるか私は知らないわよ?あなたは伯爵令嬢、私は侯爵令嬢だもの。」
「っ、、私は!」
「聞かせてもらったわ。」
「!!」
「アリア様っ、、、!」
「やっぱり心配で、、、探したのよ、ヘレス。」
「何故、、レイ侯爵令嬢が、、」
「ねぇ、エヴァーズ侯爵令嬢。あなただけに限らず皇后や側妃という地位を狙っている令嬢はたくさんいるわ。でも、その地位のために私の大事な友達を奪うなんてさせない。、、、勝負をしましょう。三週間後にある魔法学祭でヘレスに勝ったら、私も含めてレオお兄様やルナシス様との関わりを切るわ。これでどう?あなた、魔法は得意なのよね?」
「アリア様っ、、、!そんな、私、」
「あら良いの?正直言って、、私がロナルド伯爵令嬢に負けるとは思えないわ。」
「三週間もあるんだもの、私が直接ヘレスを指導するわ。私たちは負けないわよ。」
「あらそうですか、レイ侯爵令嬢。では三週間後。泣くのはどちらでしょうね。」
「そのセリフ、あなたにそのまま返すわ。エヴァーズ侯爵令嬢。」




