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30 クエストってどうやってみるんだ?

「着てみると、意外と軽いんですね。もっと重いのかと思っていました」


 目の前には、見た目はまったく変わらないセシリアの姿があった。たぶん、チェインメイルはシスター服の下に着てくれたのだろう。これでセシリアの防御力もアップだ。


 その後、ボクたちは冒険者ギルドのクエストボードに貼り出されているクエストを見ていく。


「なあ、前から不思議に思ってたんだけどよ、このクエストってどうやって見るんだ?」


 クエストボードの前で、不思議そうな顔をしたアベルが言った。


 まぁ、彼らは初心者だし、クエストの見方を知らなくても不思議じゃないか。


「クエストの見方だけど、まずは紙の右上を見るんだ」

「右上?」

「そう。ここが赤なら討伐クエスト、緑なら採取クエスト、青なら護衛クエストだよ」

「見たところ、赤ばっかりだね。採取クエストや護衛クエストはそんなに数がないの?」


 クレトがクエストボードに貼り出されたクエストを見ながら質問してきた。


「昔は薬草採取っていう簡単な採取クエストもあったらしいんだけど、薬草はもう栽培されてるからね。残っている採取クエストは、難易度が高いものばかりだよ。それと、護衛クエストは割りがいいから冒険者の間では取り合いになるから残ってないね。それに、護衛クエストは絶対に依頼主を守らないといけないから、冒険者ランクが高くないと受けられないよ」

「俺たちが受けれるクエストはどれだ?」

「それは、今度はクエストの紙の左上を見るんだ」

「おん? 左上……これって数字か?」

「そうだよ。アベルたちは文字は読める?」

「俺は自分の名前が書けるぜ!」

「僕も似たようなものかな? 自分の名前は書けるけど、読めるのは数字くらいだね」

「あたしは読み書き完璧! セシリアもだよ!」

「はい。私も読み書きは一通り勉強しました」

「なるほど……」


 アベルとクレトは自分の名前と数字が読めて、ダリアとセシリアは読み書きできるんだね。


「先にクエストに見方について説明しちゃうけど、紙の左上に書いてある数字以上の冒険者ランクじゃないと受けられないクエストって意味だよ。そして、肝心なクエストの中身だけど、討伐クエストなら、倒すべきモンスターの絵が描いてあって、その下にモンスターの名前と討伐証明部位や採取してほしい素材なんかが書いてあるんだ」


 そう。冒険者ギルドでは、文字の読めない冒険者に配慮していろいろ工夫が施されている。文字の読めない冒険者でも、一応クエストを受けることは可能だ。


「でも、やっぱり文字は読み書きできた方がいいから、アベルもクレトもお勉強かな?」

「えー!」

「まあまあ、アベル。これも立派な冒険者になるためだから」

「わーったよ……」


 不満を漏らしたアベルだったが、クレトに宥められて渋々文字の勉強を了承する。やっぱりアベルのことをわかっているのか、クレトはアベルを操作するのが上手い。


「空いた時間にダリアやセシリアに教えてもらうのがいいかもね。やっぱり先生がいると早く覚えられるよ」

「そう言うペペは読み書きできるのかよ?」

「ボク? できるよ」


 ボクは物覚えが悪かったから、孤児院の授業だけでは覚えきれなくて、昔はロレンソやマルティーナに教えてもらっていた。『タイタンの拳』のみんなも最初からボクを邪険にしていたわけではないんだ。ただ、ボクがみんなの期待に応えられなかっただけ。


 その受けた恩も昨日金貨を払ったことで返したつもりだ。


「俺たちはまだ十級冒険者だろ? 十級冒険者でも受けられるクエストはあるのか?」

「あるよ」


 ボクはアベルに頷いて返すと、二つのクエストを指差してみせた。


「これとこれだね。ゴブリン討伐とオーク討伐だよ」

「なんでだよ! やること変わらねえじゃねえか!」


 ボクの言葉に噛み付くようにアベルが吠えた。


「やっぱり最初は東の森でゴブリン退治だね。ボクたちはもうオークを倒せるから、恵まれているほうだよ」

「ペペのおかげだな!」

「そうだね。ペペのおかげだよ」

「そうそう、ペペってばすごいんだから!」

「ペペさん、ありがとうございます」


 みんなに褒めてもらえると、やっぱり嬉しい。ボクもやる気が出てくるよ。


「でも、ペペ抜きでもオークを倒せるようにならなきゃだな!」


 アベルの言葉にみんなが頷いている。


 現状、オークを倒せるのはボクしかいない。正直、オークが何体来ようと、みんなを守れる自信がボクにはある。でも、それではパーティメンバーの成長が見込めない。ボクが倒せないモンスターが出たら終わりという、ひどく脆いパーティになってしまう。


 やっぱり、みんなには冒険者として成長してほしい。そして、いつの日か冒険者として大成してほしいんだ。


 そういえば……。


「あのさ、今さら訊くのも変な話なんだけど、このパーティの名前って何なの?」

「あ……」


 ボクの言葉に、アベルがまるで忘れていたと言わんばかりに間抜けな顔をさらしていた。


 え? もしかして、このパーティって名前ないの?

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