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074⚫️円幽寺
「赤人殿、今回も不躾ながらお願いしたい。」
「承りました。士族の方々も時代の荒波に揉まれ、大変でございますな。」
儂の無心を聞いてくれるだけでもありがたい。
借財は積み上がるばかり。
しかし、それでも無担保で通すとは・・・。
円幽寺とはいったいどれほどの財を抱える一門なのか。
「よろしいのですか、アカト様。あのお方以外にも、多くのお武家様が詰めかけておりますが。」
「構わぬ。大政奉還から王政復古へ。時代が移ろえど、人の心はすぐには変わらぬ。禄を失い、生き方を見失う者が出るのは当然だ。」
「承知いたしました、マイロード、いえ、アカト様。」
「頼んだぞ。できうる限り穏やかな移り変わりであってほしいものだ。」
士族反乱の兆しは、すでに円幽寺一門の耳に届いていた。




