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072⚫️グシャがグシャ

宇宙空間に限らず、現代の戦闘は基本的にメカノイドが主力である。だが、作戦立案や指揮、整備統括を担う「ヒト」の存在は、依然として欠かせない。

自律システムがプログラムに従って火花を散らす光景は、歴史書には存在しなかった無機質なものだ。前線で直接血が流れる機会は、中世の合戦に比べれば劇的に減少した。それでも、死者がゼロになることはない。力と力、火と鉄が衝突する以上、その本質が破壊であることに変わりはないからだ。

今回の宙域戦において、ラベンダー提督は「直接戦闘による死者ゼロ」という、人道的にも戦略的にも類を見ない勝利を掲げ、あと一歩でそれを成し遂げようとしていた。では、それでも、何故、死者は出たのか。


「もうだめです!司令艦群のみとなり、完全に包囲されました!」

「敵から入電!降伏勧告、および武装解除の通告です!」

「一部の司令艦が独断で勧告を受け入れ始めています!」

おのれええ!

根性の干上がった臆病者どもめ!恥を知れ!

それでも誇り高きドミナの軍人かあ!

勝敗が決した? それがどうしたというのだあ!

敵が勝利に酔いしれている今こそ、乾坤一擲の好機!

どこでもいい、最大加速で敵艦に体当たりを敢行せよ!

わしとわしの戦闘艦の名は、不滅の伝説となるのだあああ!


ある歴史家は記している。

「力の行使は、愚者の最後の砦である」と。

では、賢者はどうあるべきのか。

その問いに対し、その歴史家は

沈黙を守ったまま、答えをわたしたちに委ねている。


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