063●画竜点睛 & 064●衝撃の事実
063●画竜点睛
「提督、ご希望のデータが揃いつつありますね。いかがですか?」
「そうですね。作戦の立案に役立つものばかりです。」
「最後の情報が、間もなく届くはずですが。少し遅れているようです。」
「現場はたいへんなのでしょう。ありがたいことです。」
ロイ・ラベンダー提督は、
ノクティス・ドミナの攻勢に備えて、幕僚と反撃計画を立案中である。
ヒロがもたらす内容が、作戦の要所を決める、画竜点睛となるはずである。
064●衝撃の事実
くっ・・・しまった!
逃げ切るつもりが、倉庫に追い詰められた。
誘導されたのか?!
宇宙船の中とは違い、ここでは連中は遠慮なく撃ってくる。
ヒロだけは逃さなければ。
その瞬間、ライトが煌々と点いた。
「こんにちは、あるいはこんばんは。ようこそ我らの領域へ!」
声の主は、余裕たっぷりの笑みを浮かべていた。
「子連れとは珍しいが・・・あんた、エージェントだろ?しかも凄腕だ。どうやって海賊を叩きのめした?興味があるね。」
うるせえ!俺だって、ちょっとだけ後悔してんだよ!やりすぎたってな!
「あんたには後でたっぷり時間を割こう。だが、そのガキは・・・丁寧に、念入りに体の隅々まで調べた上で、始末してやる。」
胸の奥で、何かがプッツリと切れた!
「こらあ!!体を調べるだと!?それが本人を眼の前にして、しかも“女の子”に向かって言うセリフか、この唐変木があ!!!」
俺の怒号が巨大な倉庫内に反響する。
あまりの剣幕に、敵の工作員たちが一瞬、呆気に取られたように動きを止めた。
ヒロが、俺の腕の中でびくっと肩を震わせ、上目遣いに俺を見た。
「えっ、ヤマト・・・勘違いに気づいてたの?」
そりゃあ、何日も一緒にいれば、なんとなく察しはつくさ!
「でもヤマト・・・’唐変木’って表現、古いよ・・・。多分アイツには通じてないぞ・・・。それに・・・女だからって言うの、価値基準としては問題あるんじゃないの?」
それはそれで、衝撃の事実だな。




