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061●お前がまちがうはずがない
アストラ・コンコード宙域惑星の宇宙港。
ハッチが開いた瞬間、甘い香りの風と、
旅人たちの無機質なざわめきが流れ込んでくる。
海賊騒ぎがあったとはいえ、銀河規模で見ればただの遅延だ。
俺たちの’活躍’が伝わっているはずもない。
「よし、迎えの車まで静かに行くぞ。」
ヒロの肩を軽く叩き、群衆へ流れ込む。
だが、数歩も進まないうちに、ヒロの足がぴたりと止まった。
「ヤマト、待って。こっそりと見て。あそこの案内所でパンフレット読んでる男女・・・。」
視線の先。どこにでもいるような地味なカップル。
だが、ヒロの声は確信の温度だった。
「あの男の歩くリズム、女の人が髪を耳にかける指の角度。出発地の空港で一等キャビンに乗ったふたりと全く同じ。でも、見た目は全然違う。」
背筋に緊張が走った。
わざわざ見かけを変えているということか。
俺は短く息を吐く。
お前が言うなら間違いない。
こいつは‘すべて’を記憶しているんだ。
いくら変装しても、癖は消せない・・・。
くそ、どこから漏れた?
情報部に内通者でもいるのか?
まさか部長が?ない、ない、あり得ない。
「予定変更だ。きっと、あの二人だけじゃない、もっと潜んでるぞ。振り切るぞ、ヒロ。」
ヒロは短く頷き、俺の手を強く握り返した。




