表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/55

056⚫️陽気で腹黒いはず、なのに?

今日も乗客にスキャナーの青光を当てる。

手荷物も探査装置を潜っていく。

モニターには金属反応も異常波形もなく、

機密漏洩特有の‘濁りノイズ’も見当たらない。AI探知もクリアだ。


「はい、次の方どうぞ。」

列が進み、小柄な子どもと後ろに立つ男が視界に入る。

特に警戒すべき要素はない。

荷物をスキャン。青線が走り、表示は緑に変わった。

金属反応も生体ストレスの揺れもゼロ。

「どうぞ。良い旅を。」

わたしの言葉を受け、ふたりは静かにゲートを抜けていった。


ボクは呼吸を整え、ただ‘普通の子ども’として列に並ぶ。

青い線が足元を流れ、端末の隅が緑に灯る。

「どうぞ。良い旅を。」

ボクは声を出さず、検査官に軽い会釈だけ残してゲートを抜けた。

歩幅は乱さない。後ろも振り返らない。

何もない。それでいい。


ヒロの背を半歩ずらして追う。

‘叔父と小旅行’という設定だ。

まだ子どもだから、ヒロは少しキョロキョロしている。

めずらしいのだろう。

スキャナー前では迷いなく荷物を置き、検査官の鼻筋のあたりを見る。

青い線が足元を滑る。胸の鼓動を意図的に一拍落とす。緑が灯る。

「どうぞ。良い旅を。」

俺は小さく会釈して通過する。

ヒロの肩がわずかに緩んだのが見えた。ここまでは、何もない。

・・・あれ? こんなに簡単な任務なのか?

部長の大げさな依頼は、単にヒロの重要性のためだけ?

いや、あの陽気で腹黒い部長のことだ。

何か、あるんじゃない?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ