表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/63

037●おごるぞ & 038⚫️時がきた

037●おごるぞ


ーマイロードが、自らお出ましになるなんて。

ーブリッツって、そんなに特別なの?

ーまっ、リョウマが絡んでるからね。

ーでも、それだけじゃないよね。

ーあの世界線は、次の次の、も〜と次の時代へ繋がるのよ。

ーああ。俯瞰してみると、なるほどなのね。

ーリョウマ、いい仕事してるんじゃないの?

ー今度、おごっちゃおう!

ーヒューマノイド形態の時にしてあげてね・・・。



038⚫️時がきた


宇宙艦艇を降りる。サラもほっとしている。よかった・・・。

ブリッツさんの生命力には驚いた。

あの深手では、持たないと思っていた。

キャサリンさんはサラの手を握り、涙を流していた。

ブリッツさんはいつもどおり無愛想。ただ、「感謝する」とだけ言った。

ふたりの子どもたちも、何度もお礼を言ってくれた。

コロニーは救われた。


宇宙艦艇はハッチを閉ざしたまま。

人工知能は僕たち以外を拒絶するように、沈黙している。

それでも、多くの人が恐る恐る見物に来る。

カンナを先頭としたに子どもたちは遠慮なく、

その巨体に登り、触れ、はしゃいでいた。

「私が穴を見つけたのよ!」

誇らしげな彼女の声が響く。

この場所は‘巨竜伝説’として語り継がれ、

この先、何世代にも渡ってコロニーを守る抑止力になるに違いない。


数日の後始末を終え、僕たちは浄水場の濾過装置の点検に来た。

問題なし。ん? サラ、どうしたの? なんで僕を見つめてるんだ?


「あのね、ジム・・・。もし・・もしね・・わたしがずっと生きていて、ほんとはいろんなことができて・・・この世界線に来るかもしれないって知ってて・・・もちろん、自分でもがんばってきたし、あなたのことも大切に思ってる。でもね・・・もし、わたしが’使命’を帯びてここに来てるとしたら・・・それでも、今までどおりでいてくれる・・・?」

なんて綺麗な瞳なんだろう。

いや、よくわからないよ。サラ、君は何を言っているんだ?


「あっ、そうか! いつもその手にはひっかからないぞ!またからかってるんだろ、コラあ!」

サラは一瞬きょとんとして、それから弾けたように笑い出した。

笑いながら水源の周りを駆け出す。

ゼッタイに捕まえてやる!

いつまでも手玉に取られてる僕じゃない。

追いつく。

ふたりで転ぶ。

そのまま大笑いしながら見つめ合う。

綺麗だな。本当に。

優しいな。助かったよ。

これからも、そうでいてくれるかな。


ふたりの唇が、自然と重なった。

その瞬間・・・

世界の境界が溶け出すような穏やかな光が、恋人たちを包み込んだ。

・・・跳躍の時が来たのだ。



ねえ、父さん、あのふたりは魔法使いだったの?

魔法じゃない。科学だ。

へー。科学っていう魔法なのか。どこいっちゃんたんだろ?

さあな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ