023⚫️悪代官?
「分析はうまく行かなかったのだな。」
「はい、長官。オチャノミズ所長の’アンタッチャブル’指定により、一時中断しています。」
「研究所は宇宙軍の所轄ではないからな。無理な要求はできんか・・・。だあが、それでいいのかあ?!知的探求心の渇望はないのか?わたしが若い頃はだなあ・・・」
「あの、長官。’ヤマシタ・ムソゴ 我かく戦えり’は、わたしも拝読しています。うちの孫たちも動画版を何度も見ておりますので。」
「む、そうか、そうか。・・・それで、誰かおらんのか。所長に意見具申するようなイキのいいやつは。」
「いると思いますよ。若い研究員の中には、’星幽結晶’で遊んでいて、足の甲を貫いた者もいますから。」
「そうだったな・・・。うーん、なんとかしたいものだが。」
「調査艦隊のグレッグに再度の採集をお命じになりますか?今度見つかれば、極秘に我々で取り扱うというのは?」
「そういう’悪代官’のようなマネは好かん。正々堂々、これは・・・」
「はい、第1章の冒頭にあるお言葉ですよね。すみません、余計なことを申しました。」
「いや、そこで引くな。もう一押しすれば、わたしも渋々認めるかもしれないではないか。」
「いえ、ここは研究者たちに任せましょう。それが一番です。」
銀河連邦テラ宇宙軍連合艦隊司令長官は、心中で唸った。
・・・うーん、わたしの心を弄ぶとは。副官、お主も悪よのう。




