021●守る?守られてるの?
「キャサリンさん、おはようございます!いつもありがとうございます。」
僕の言葉に、キャサリンさんは微笑む。
「いいえ、わたしたちも、助かってるよ。あんたたち、いろんなことを知っているからね。」
40歳を超えても元気な方だ。傍らでサラも感謝の表情だ。
何しろ、食うや食わずで、ここまで来たからな。
「ブリッツさんはお出かけですか?」
サラの言葉にキャサリンさんは頷く。
「いくつになっても、現場に出たいのよね。まあ、わかんなくもないけど。あの人の戦力は貴重だし、防衛線の維持は人数がいるしね。」
「じゃあ、浄水設備の点検をしてきます。昼には戻りますから。」
「ああ、頼んだよ、ジム。気を付けてね、サラ。」
キャサリンさんに見送られて、僕たちは浄水場をめざす。
「フィルター取り換えるよ。木炭補充もするね。」
「わたしはパイプの破損がないか、見てくるね。」
濁った水の井戸に頼っていた生活だったという。今はこの泉が水源だ。
僕たちが濾過装置を考案し、みんなで作り上げた。
貯水タンクから浄水装置を通り、コロニーまで届く。
これだけのことだけど、住民は大喜びしてくれた。
加えて、サラがスクラップの山から蓄電池を見つけた。
しかも、問題なく動く。奇跡だ。
僕は風車の設計をして、配電システムを作り上げた。
夜でも昼のようだ、と住民は喜んでくれた。
でも、ここのスクラップはすごい。
地中に埋まっているものも含めて、
これまで活用されなかったのは知識がなかったからだ。
数世代前に大きな戦争があって、
ロストテクノロジーになってしまったんだよな。
ブリッツさんは電球が灯るのを見て、
ふん、と鼻を鳴らして‘ひさしぶりだ’って言ってたけど。
見たことがあるってことなのか?
あの人はどこかミステリアスだ。
持っている武器も、この世界では異質だよな。
だけど、ふたりの子どもはティーンエイジャーだけど、
彼の補佐として、境界線を守っている。
ブリッツさんのような武装はしていないけど、でも、戦闘力は高いようだ。
僕もサラを守らなくっちゃ。・・・何だか、守られているような気もするが。
「ジム、終わったよ!次、行くからね!ボッ~と生きてんじゃないわよ!」
はい、はい、そのとおりでございます。
よし、次は風車の点検だ。




