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決着つけなきゃなと思って。
「ごめんなさい」
衛兵さんたち行きつけの酒場での打ち上げも宴もたけなわとなったころ、トシ君とミーナちゃんにお酒を取り上げられた私は隅っこでボンヤリしていた。そこをジグラートさんに連れ出された。
何だかいろいろ言われた気がする、ジグラートさんの出自が公爵の庶子な事、今まで興味の無かった社会的地位も私が望めば駆け上がって見せる事、一目ぼれだったこと、伴侶になってほしい事。
他にも何かいろいろ言われた気がする。人生で最初で最後だとか、幸せにするための努力は惜しまないとか、生活に苦労させないとか。一口飲んだお酒のせいかフワフワする頭で、まるで他人の出来事のように実感がわかないままその話を聞いていた。
でもまぁこればっかりはなぁ、ごめんなさいしか言いようが無いよなぁ。だってこの姿は私の愛した人だしそれが誰かの妻になる? ないない無いよありえない。まぁ中の人の私は定年した爺だ、誰かの妻になる? どんな人生の方向転換だよジェットコースター過ぎるわ。それにVRMMOの中で中の人と結婚したらどうなるの? ネトゲの嫁的な? 意味不明すぎる。
そんな事を考えてちょっと目が覚めてきたなと思っていたら「それでも諦められない、好きなんだ!」例によってガバッと来た。浄化の精霊くんガードで防いだのを魔力を駆使して突破しようとするジグラートさん。あ、そんなことできるんだ、やっぱこの人天才なんだな、なんて呑気に考えている暇はない、どうやって逃げよう、オロオロしかできない私をミーナちゃんが引っ張って背中に隠してくれた。
「断られたらスッパリ諦める、そういう約束だったはずです」
睨みつけるミーナちゃんの後ろで、ばつの悪そうなトシ君。あ~そういうお膳立てだったわけね、そっか~。ミーナちゃんに恨みがましい視線を送りつつも感謝した。そろそろ決着をつけなければいけないことだと自分でも思ってたし。
その日はそのまま羽ばたく鳥停に帰ってワインを一杯煽って寝た。




