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「それではマスクを配布するので並んでくださーい」
討伐クエスト当日、衛兵さんたちに並んでもらってマスクを配布する。目印のつもりで衛兵さんたちの名前を刺繍していたらアホみたいに手間がかかってしまったが、受けは上。裁縫スキルも上がったし良いだろう。
討伐クエスト発令から決行まで4日と結構なスピード感だったけどその間私は裁縫をしていた。
「一緒にお渡しした葉を、こう手に挟んでパチンと叩くと、匂いが出てきますので、その状態でマスクのポケットに入れてください。1時間で効果は下がっていきますので討伐対象の目前で一度交換してください」
そうやって朝礼を終えようとすると「朝の儀式がまだなんだが?」そう言うジグラートさん。両腕を広げてハグ待ちの姿勢だ……何言ってんだこいつ? 思わず真顔になったわ。
「あの、アレはパーティーメンバー限定と言うか、他の人にも効果が有るか分からないので」
「じゃぁ試してみよう」
結構グイグイ来る、ちょっと怖い。そんな事を考えているうちにガバッと行かれてしまった。
「ふむ、効果は無いようだ」
残念そうなふりをして嘘をつく、キャノーラの祝福は発動している。
「後で、時間をくれ」
そう耳元で囁かれてエルフ耳がジグラートさんのほほを摩るように動いてしまいビクッとしてしまった。放してくれた後、ハグ列に並び始めたサスタさんと衛兵さんたちを散らしてくれた。
エルフ耳を抑えて呆然としている私をミーナちゃんが抱き着いて私を慰めてくれる。ああ、やっぱり抱き着くのは女の子の方がいいなぁ柔らかくて安心する。なら男性が私に抱き着きたい気持ちを理解できなくも……いやいや無いわ~。
そんなアクシデントがありつつも、トシ君とミーナちゃんが私をガードしてくれながら下水道へ突入した。トシ君とミーナちゃんが前日にルートの掃討をしておいてくれたので道中は平和な物だった。
「そういえば今日まで何をしていたんです?」
「フィールドで狩りをしたり、スキルビルドの相談とかしてたよ」
「俺たちって冒険らしい冒険がこの下水道だけだから視野が狭いって気が付いたんだ、だからいろいろやってみようと思ってさ」
確かに下水道探検はかなり特殊な冒険の部類だからね、普通の冒険者ってどんな冒険をしているのか全然知らないわ。
「迷宮都市に行って狂王の修練場ってダンジョンに潜るのが今の延長線上にある次の冒険かなと思うんだけど、いろんな街を見てみたいってのも考えてるんだよね~」
「狩猟もやってみたいんだよね、アウトドアとかさ」
「闘技場でランクを上げるっていうのもあるぜ」
サスタさんがそういうとトシ君が食いついた。
「「男の子だねぇ」」
盛り上がるトシ君とサスタさんを生暖かい目でミーナちゃんと眺めていた。ジグラートさんが何か言いたげな雰囲気だが抱き着いた前科によりミーナちゃんガードが発動して距離が開いてしまっていた。
「でもさ~夏休みが終わったらこんなにINできなくなっちゃうかも」
「そうですか、それは仕方が無いですね」
二人にはリアルで輝かしい未来が待っている。私の様な終わった人生の余暇と違うよね、そりゃそうだ。
「私もこの依頼が終わったらどうしましょうか」
そんな事を考えながら歩いていると、とうとうビッグスライムの待つ浄化槽エリアに到着したのだった。
更新頻度を上げていきたいなと思いつつ、文章量は上がりません。
もうちょっとがんばろう 20点




