精霊成長
眠い
ここ数日は上層部の方が例の塔の件で色々と揉めているらしく、クエストが供給されなくなるという異例の事態が発生している。
昼間から酒、ギャンブルの堕落の限りを尽くした者たちが大量に生産されていく中、レイナは能力の訓練に励んでいた。俺もその訓練につきあわされていた。
「ふぅ、これで全十体の精霊の使役が可能になったわ。ありがとね、レン」
「も、もう····立てませ····ん····」
召喚される精霊たちのサンドバッグになるのはさすがの俺も二度目の生命の危機を感じた。
「治の精霊キュアー!レンを回復してあげて」
「キュッキュッ!」
キュアーが俺の体を緑の光で覆わせる。すると先程までの傷や痛み、精神的疲弊までもみるみる回復していった。
「おお!どんどん元気になってくる!」
「良かったわ。これで夜に支障をきたさないで済んだわ」
「え、夜?」
「あら、やらないの?」
「ぜ、是非!」
シズカが襲撃してきてからというものレイナが本格的に奪われる心配をしてきたため、積極的に俺とのスキンシップをしてくるようになった。俺的には嬉しいかぎりである。
翌日から今まで通りクエストは供給されるようになった。大半の者が連日の二日酔いでリタイアしているため、選び放題だった。
「せっかく新しい精霊を使えるようになったんだから討伐クエストがいいわね」
「じゃあ·····これとかどう?」
「ボロスウルフの討伐······そうね、これにしまょうか」
「よし!さっそくしゅっぱーつ!」
「ここだね、目撃情報がある森は」
「レン、今日は手出ししないでね」
「わかってるよ。俺はレイナをちゃんと信じてるから」
「フフフ、ありがとね。チュッ!」
「!? 不意打ちキスとは·····」
まずは精霊を三体召喚する。力の精霊ストレン、学の精霊ワイザ、毒の精霊ポイズ。
まずはワイザに戦況を把握させ、戦略をたてさせる。次にボロスウルフの通りそうな所に毒トラップを仕掛ける。その間にストレンが視野が狭そうな所を切り開かせておく。これでいつ来ても先手を取られることは無い。
「おーっと、毒トラップに何かが引っかりましたよ、ヒーッヒッヒッヒ!」
「今すぐ向かうわよ!ストレン、ボム、グーは前線!その他は私と一緒に援護射撃!わかった?」
『了解!』
精霊達は素早く自分の持ち場に着いた。前方には毒トラップを抜けそうになっているボロスウルフ。前線のストレン、グー、そして新たな精霊、爆の精霊ボムのこの三体がボロスウルフに足止めや攻撃を行う。
残りの精霊達はレイナの傍にいる。レイナは弓の準備をしている。
「さあ!いくわよ、みんな!」
『おう!』
「まずは矢の精霊アロー!矢を生成して!」
「あーい!」
「プミロとポイズは矢に能力を!」
「おらー!」
「ヒッヒッヒ!」
「ウィン!矢に風を!」
「はあッ!」
「よし!これでオッケー!くらえ!」
「ウォォォ!」
「よし!効いた!」
その後もレイナはこの攻撃を続け、ボロスウルフの討伐に成功した。
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