初討伐
トランス!トランス!
「足下が見えづらいわね」
遺跡の中は松明で明かりを灯しているとはいえ、薄暗い。光が届かない足下なんかは目が慣れないと見えないぐらいまでに暗い。
「大丈夫、もう少し深く潜ったら明るくなるから」
どうやら低い階層は日光が届くことを前提にして松明が置かれたため、このように暗くなっているらしい。
「そろそろ明るくなるよ、ほらあそこの広がっているところ見てみな」
シュウさんが指し示した場所を見ると確かに段違いに明るくなっていた。
「ここに到達したってことはそろそろ魔物が現れる深さまで来たってことだから、ちゃんと警戒しとけよ!」
「はーい」
少しの休憩を挟んだ後、再び歩き始めた。
「シッ、少し静かにして。よーく耳を傾けてみろ」
急に言われたため驚いたが、すぐさま耳を傾けてみた。すると、何かの足音が聞こえてきた。
「足音的にトレドックかな、アイツならお前らでも対処可能だ。よし、近づき次第やっちまえ!」
「急すぎませんか?」
「本番はもっと急に始まるよ、さあいってこい!」
俺たちは指示どうり足音がする方へ行ってみた。すると予想どうりにトレドックが三匹ほどいた。
「どうすればいいんだ、脳が動かん!」
「わ、私が精霊を出すから、それまで引きつけといて!」
「OK!」
まずはレイナがいる方向とは逆に移動し、近くに転がっている瓦礫や石を一通り集めておく。そして教えてもらったとうりにそれらを大きくしていく。
「くらえ!5倍増し!!」
5倍の大きさまで巨大化させた石を頭部めがけて思いっきり投げる。すると狙い通りに三匹は俺の方に視線を向け、追ってくる。しかし、頭部に当たった石のせいで三匹はふらついている。そこへダメ押しの投擲。これで時間稼ぎははバッチリ!
「いつでもいけるわ!」
「おっし!来い!」
「現れよ!火精霊プミロ!」
「イエーエーイ!!」
雄叫びを上げ、召喚されたのはまだまだ小さい精霊だった。
「それ、大丈夫?」
「まだ下級精霊なだけよ!見せてやりなさい!
フレイム!」
レイナが魔法を唱えると、精霊が火球を飛ばしトレドックらに当ててみせる。すると三匹は全身丸焦げとなって消えた。
「おっ!初めてにしては上出来だな。レイナの精霊も強えーな!」
「へっ!あたりめーだよ!」
「精霊ってこんな感じなんだな。なんかペットみたい」
「だいたいそんなもんだよ!ハッハ!」
その後も深く潜っていったが、順調に魔物を倒せていった。
「ここが最下層だ。あそこに例の召喚陣がある」
「早く見てみたいな!」
「待て待て、逃げないんだから落ち着きなさいな」
そして、
「これが召喚陣か·····」
「そう、だけど気をつけろよ。召喚のタイミングがわからないから急に魔物がっ····てこともおこりうるからな」
「大丈夫っすよ!」
ズドン!
そのセリフを放った瞬間、召喚陣により召喚が行われた。魔物は······かなり強そう。
「マズイ!そいつはドンギドン!この遺跡に出てくる魔物の中で一番強いぞ!まだお前らが勝てる相手じゃない!早く隠れるか、逃げろ!」
「はいっ!」
すぐに近くにシュウさんがいたおかげで戦う羽目にはならなかった。
「くたばれや!」
シュウさんは拳による一撃で一瞬にして倒してしまった。
「強くね?」
「やっぱり現役で前線で戦ってる人は違うわね」
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