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FreedamAbility・Online  作者: 2You
『やつれ黒鏡と白刀少女』

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6/11

MPKとの遭遇


 俺たちが街の外―――『コアード平原』に出て、初の戦闘は白桃(はくとう)にやって貰った。

 その技量を見て、俺もしっかり役に立たないとな、と俺の倒す獲物を探そうと辺りを見たとき―――


「―――ん? なんだあれ……」


 ズダダダダダダ……!


 少し遠くから、様々なモンスターの大群を引き連れ、こちらに向かってくる1人の男がいた。

 兎、狼、石(ゴーレム)、蛙……が十匹、二十匹と。

 総勢五十体程度は居るな……一体何が目的なんだ?引き連れている人物は笑っているようにも見えるが……どっちにしろ、あんなもの(大群)に巻き込まれたらタダじゃ置かなさそうだ。


「ちょ!?カガミ!あれトレインだよ!」

「トレイン…?……列車……運ぶ……モンスターを引き連れて、え~っと……そうだ、PK(プレイヤーキル)をするって事か?」

「そう!だから早く逃げよう!」


 トレイン(列車)……確かに、今もこちらに向かってきて、モンスターの大群を引き付けている姿は見方によっては列車……要するにトレインをしているようにも見える。


 PK(プレイヤーキル)とやらはこれまたチュートリアルで学んだ。

 読んで字の如(ごと)くプレイヤー(Prayer)キル(Kill)―――要するに人殺しだ。

 今回の場合は、『モンスター(Monster)』による間接的な『プレイヤー(Player)』『キル(Kill)』———MPKだと言えるだろう。


 ……ゲーム内であるといえ、人殺しをする意味が分からない……若いって凄いな、血気盛んだ。


 まあ勿論そんなこと(プレイヤーキル)はこの世界でも、この世界(ゲーム)の法律によって裁かれる。

 流石に現実では死なないというのに、それに現実の法律を用(もち)いるのは無理があるしな。


 行き過ぎた行為は現実でも裁かれるらしいが、今の生活は気に入っているし、態々(わざわざ)それを壊してまで豚箱に入るつもりも無い。


 閑話休題。


 それは兎も角、そのトレインをした男は、白桃が慌てた声で発言をしていた時にはもう目前まで来ていた。恐らくかなりのステータスポイントを移動速度……AGI(アジリティー)に振っていることだろう。


 そして、男が目前まで来ているという事は、モンスターもこちらまで来ているという事だ。

 男がこちらに向かって一言。


「頑張れ~!」


 ……何なんだこいつは。

 煽る様な顔と口調で、そうこちらに言い放った。そして何かしらの―——固有スキルと思われる詠唱をした直後、走る速度が格段に上がり、俺たちの後ろを突き抜けていった。

 それに白桃が苦情を言う様な声を上げる。


「むぐ……ウザイ……!」

「俺もそれには同意見だ。それは兎も角、出来るだけ抗わないとだな……」

「確かに……私たちがここで逃げたらあの人と同じことになっちゃうだろうし……」


 俺は胸中で再び同意の言葉を挙げる。

 その通り、俺たちが———既にモンスターの標的にされた俺たちが、この大軍を引き連れて逃げたとしたら、それは―——癪ではあるが―——最早(もはや)私たちの責任となるだろう。

 なぜなら俺たちが被害者だという証拠がないのだから。もしもあちらが全否定で構えたら、それ以上はどうしようもない。

 それに、こんな些細な事ではGM———ゲームマスターは対処してはくれないだろう。まああくまでそれは恐らく、の話ではあるが本当に反応してくれない可能性があるので、そんなリスクは背負うつもりも、背負うまでの理由もない。




 ―――その刹那、一番先頭に居たモンスターが威嚇の声を上げる。……それを開戦の合図と言わんばかりに―——


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