ソラ・イン・アンダー オブ ユニバース④
随分と髪が伸びた。髭もいつのまにか生えいる。
『澱』を飲み込むだけで良く生きていけるものだと自分自身に関心する。
ソラがアンダー オブ ユニバーサルに落ちてから、どれくらいの何月がたっただろうか。
朝も夜もなく、ひたすらに曇天が続くこの世界では、日にちの感覚など麻痺してしまった。
「ソラ、この後、どないします?」
シュテが話しかけてきた。
出会った頃よりも随分と細部が人間に近づいている。額におおきな角が二本生えている。
シュテは今や『鬼』の派閥の頭だ。
本人はめんどくさがっているが、『鬼』の中で一番実力があるのは酒呑童子だから仕方がない。
ここにいる『澱』達は自然と強者に従う様に出来ている。「弱肉強食」の理を自然に体現していた。
『澱』同士を、共食いさせた結果はソラの予想通りだった。
別の『澱』を取り込んだ個体は成長し、より強くなって行く。
『澱』にも種類が存在する。同じ種類同士を食わせる方がより成長の度合いが高かった。
効率よく成長せる為に、種類を分別していたら、いつの間にか派閥の様な物が出来上がっていた。
派閥にはそれぞれ頭がいて、その頂点にはソラがいた。
本当にアンダー オブ ユニバースの王になれるのではと思っていたが、どうやらそうも行かないようだ。
鯨を追いかけて歩き回るうちに、大きな裂け目に遭遇した。
覗き込むと下は見えない。どの程度深さがあるのかも分からない。
ソラ達は今裂け目の目の前に何日か滞在し、裂け目の下に行くかを考えていた。
何体か『澱』を裂け目に放り込んでみ。その度に裂け目の暗闇の奥から、獣の呻き声が轟く。
その鳴き声だけで、声の主の悍ましさが感じとれた。
力のたりない『澱』は裂け目に近づこうとしない。
ソラは頭上に手をかざす。
「黒雷」
黒い雷が裂け目の中は落ちて行く。
「グルルァグルァアグルルルル……!」
けたたましい獣の叫び声が耳をつんざく。
「降りるのは面倒だ。
お前が出て来い」
ソラは裂け目を見下す。
バサッと翼をはためかせて、大きな影が裂け目から飛び出した。
蛇のような頭が無数に生えている。優に百は有るだろうか。
首を支える太い体もまた蛇の様に伸びている。体の中腹から大きな翼と小さな翼が左右に2枚ずつ生え、その翼の羽ばたきは突風を巻き起こした。
「ラードーンか」
神話に出てくる竜。
RPGならラスボスクラスだろう。
雷に撃たれて、百の頭は全て怒りに支配されている様子だった。
ソラの心臓は鼓動の速度を速めている。
久々に感じる高揚感。
ラードーン剥き出しの敵意に胸がざわめく。
「灯れ」
掌に緑色の火の玉を宿す。
冥府の炎、取り敢えずラードーンの頭と同じ百程だしてみる。
「殺ろうか」
ソラはラードーンに向けて火の玉を全て放った。
全弾とまではいかないが、かなりの数が被弾した。
『澱』でできた頭は被弾した箇所から蒸発し無くなった。その差直後、トプトプと無くなったな首の周りが波打ち、黒い液体が流れ出て、新たな蛇の頭をつくりだした。
「おいおぃ……
神話通り不死かよ」




