ソラ・イン・アンダー オブ ユニバース③
灰色の世界に雪がふる。
冷たくも溶けもしないから雪では無いのだが、白く小さな塊が降ってくるその光景は、雪がふる様だった。
『澱』達は雪が降ると、地面に落ちたそれに群がり貪っている。
自我に目覚める者達は、好んで雪を食べる傾向にあった。
ソラは体内に取り込んだ『澱』の記憶から、雪の正体を知っている。
雪は、センター オブ ユニバースの生き物達の『魂』だ。
「罪を犯せば地獄に落ちる」
ソラの両親は敬虔なキリスト教だった。
子供の頃から日曜日は必ず教会は礼拝にいく。
生死感や罪悪、倫理観についてもキリスト教の教えが生活の中心にあった。
ソラはそれがたまらなく嫌いだった。
頭で理解していても心が受け入れ無い。
両親とは仲の良い振りをしていた「自分とこの人達は違う」と言う隔たりをずっと感じて生きてきた。
自身が『地獄』に来てよく分かる。
これは善悪では無い。
『負』もしくは『陰』、『正』もしくは『陽』
結局世界を大別すれば、その二つに分かれると言うだけだ。
『負』もしくは『陰』は重く澱み、『正』もしくは『陽』は軽く澄んでいる。
『負』もしくは『陰』は暗く冷たく、『正』もしくは『陽』明るく暖かい。
どちらを好み、どちらに、支配されるか。それだけの違いだ。
これは性質の話で、善悪では無い。
ただどちらを「良し」とされるかは明らかだ。
ソラはそんな世界がたまらなく嫌いだった。
雪の様にここに降り注ぐ人の魂は『負』の感情、『陰』の性質を持った魂だ。
はじめからそうなのか、生きて行く上で染まって行ったのかは分からない。
「罪」もまた重く冷たい。
それを背負った魂は、沈んで世界の底『地獄』に落ちてきたのだろう。
降り注ぐ雪は『澱』達の糧になっている。
雪を食べた『澱』をソラが取り込む。
食物連鎖の頂点にある様でソラは愉悦を感じていた。
「この世界の王になるのも悪く無いなぁ」
ソラはついてきた『澱』を見渡した。
こいつらに同じ様に、他の『澱』を取り込ませたらどうなるのだろうか。
共食いをさせてみようか……
子供の頃に蜻蛉の羽をむしって、蟻の行列に置いた時の事を思い出す。
黒い好奇心に心がとらわれる。
「お前ら『レベルアップ』の方法をおしえてやるよ」
さて、どうなるか……
楽しい、楽しい実験の始まりだ。




