PW-24 ??
長谷川は廊下を小走りで移動しながら、関係各所との連携をとっていた。
鯨が24回目の鳴き声を上げた。
前回から、まだ1ヶ月ていどしから経っていない。
あまりにも早すぎる。
次はパラレルワールド拡張は一体何処におこるのか…
対処を間違えるとPW-4の時の様なスタンピードを起こしかねない。
初動が何よりも大切な事を、長谷川はこれまでの経験から知っていた。
これまで、鯨が鳴く度に世界はパラレルワールドと同期していた。
例えばこの世界の東京にパラレルワールドの東京が出現するする。
パラレルワールドが増える毎に、世界を拡張させて行った。
だが不思議な事に、宇宙から地球を観測すると、その大きさは変わっていない。
物理学者はこれは四次元空間の歪みにより起こる現象だと説明しているが、理論などはどうでも良い。
30年前、今まで当たり前だった物は崩れ去った。
理論を考えるより、目の前に起こる現象を信じる方が遥かに有用だ。時間を無駄にせずに済む。
世界管理機構・調査室には三班存在する。調査班がニ班、調査結果をうけ研究する研究班が一斑だ。
調査班第1班は1か月前に現れたPW-23の調査に当たっている。もう第2班は休暇中だ。緊急招集をかけてもメンバーが集まるのに3日はかかるだろう。
「…それでは、今回は彼に動いてもらいす。」
各所との調整を済ませるとほぼ同時に、長谷川は目的の部屋の前に到着した。
コンコンコンと3回、手早くドアをノックする。
ドアが電動で横にスライドして開き、中から少年が現れた。長谷川は息を整えて少年に話しかける。
「カイ君。君の力を貸していただきたい。」




