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ホエイルホエル  作者: たろ
二幕

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PW02-魔法の世界⑥



フォルは息子と喧嘩した事を後悔していて、どうやら謝りたいようだった。


 同期した人を探す手掛かりも無くなってしまったので、息子探しの手伝いをする事にした。


フォルの息子はジュロンと言う。


 ジュロンは鍛冶屋街の外れの裏町でよく仲間とたむろしていたらしい。

 聞き込みをしていると、だんだんと人通りの無い、寂れた雰囲気になってきた。


やはりアオだけでも帰そうか…


そう考えていた矢先だった。


「お前ら、ジュロンの事探してるらしいな!」


 3人の男達に囲まれた。

歳の頃はカイ達と同じくらいだろう。


「お前ら、ジュロンとどう言う関係だ!?あぁ!?」


 真ん中に立つ、よれたタンクトップの男が凄む。

両腕にはタトゥーがほられている。


「オレ達はジュロンの親父さんに頼まれて、ジュロンを探してるんだ。」


3人の男達は顔を見合わせる。

 今度は左の小太りの男が、思いの外甲高い声でがなる。


「おぃ!ちょっと面かせや!」


そう言うと小太りの男は歩き出した。


 カイ達のやや後ろをタンクトップの男と、耳にピアスだらけの男がついてくる。


暫く進むと廃屋についた。


 屋根は一部腐って穴が空いている。壁はひび割れだらけだ。

煙突から煙があがっている。


中からカーン、カーンと金属を打ち付ける音がきこえてくる。


「ジュロン!お前に客だ!」


 小太りの男が扉をあけ、中に声をかけた。

入り口から中の様子が見える。

 中には炉があり、入り口に背を向けて上半身裸の男が金槌をふりおろしている。


カーンと言う音ともに火花がちる。


「今はちょっと手が離せない。」


 男は振り向きもせずそう言うと、また金槌を振り下ろす。

あの男がジュロンなのだろう。


 太った男は振り向くとカイ達に「ちょっと表で待ってろ!」と言いながら扉をしめた。


 廃屋の周りは空き地になっており、いすやテーブルが雨ざらしで置かれていた。


「おいっ、ああなると長いから、座ってろや!」


タンクトップの男が椅子をもってきた。


 ピアスの男はテーブルを持って来て、その上に燻製したハムを置く。


「オレの力作だ、食っていいぞ。」


アオがカイの耳元で囁やく。


「この人達って…」


カイも同じ事を思っていた。


「あぁ…

態度が悪いだけで、いい奴らだ…!」



 3人の男達は、かわるがわるに聞いてもいない事を話だした。


「だからよぉ!

ジュロンは病気した親父さんが、心配だったんだよ!」


「アイツはなぁ!親父の後継ぎてぇってよぉ!毎日頑張ってんだ!」


「家おいだされたって、一日も休まず金槌ふってよぉ、鍛冶の腕みがいてんだぜ。大したもんだよ!なぁ!!」


 3人はがなる様に大きな声で喋るので、ガラが悪いが、話の内容はただジュロンを褒めているだけだった。


「そんでぇ!お前等は何で親父さんに頼まれたんだよ!」


 カイ達はフォルが喧嘩の事を後悔して謝りたがっている事を、3人に伝えた。


「良かったよぉ!」

「よかった!」

「良かったなぁ!」


3人は自分のことの様に喜んでいる。


こいつら本当にイイ奴等だ。


 暫くすると扉が空いて、中から汗だくのジュロンが現れた。


「お前ら、声でけぇよ。

中まで丸聞こえだ!」


 ジュロンは鍛冶屋らしい筋肉質な体格をしている。

ずんぐりむっくりな父親とは似つかない精悍な顔立ちをしていた。


アオは半裸の男に顔を赤らめて顔を背ける。


「おっと、すまねぇ」


ジュロンは汗を拭くと、麻のシャツを羽織った。


「おぃ!ジュロン!親父さんが仲直りしてぇってよ!

良かったなぁ!」


甲高い声で小太りの男がジュロンを小突いた。

ジュロンはカイ達の方を向き頭を下げる。


「アンタら、親父にたのまれたんだってなぁ。

こんな所まで、悪かった。

礼を言う。」


 フォルに似ていない無い礼儀ただしさに、カイとアオは顔をみあわせる。


「気にしなくても大丈夫です!」


アオが笑いかける。


「親父さん、喧嘩した事後悔してるみたいで、出来れば帰って来て欲しいって…」


 この感じなら、すぐにでも話はまとまるだろうと思っていたが、ジュロンからは以外な返事が返ってきた。


「折角きてもらって済まねぇが、今はまだ帰れねぇ」


「何でだよ!親父さん謝ったんだぜぇ!」

「そうだよ!帰ってやれよ!」

「意地張ってんじゃねぇよ!!」


3人が、かわるがわる怒鳴る。


「馬鹿野郎っ!!」


それよりも大きな声でジュロンが怒鳴る。


「ペタの野郎が急に消えちまったのに、見つけるまで帰れる訳ねぇだろぅ!!」


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