ゴリラ村の宴
前回のあらすじ
・セツナがユニークスキルを習得
・ケートがどうやらサポート主体に切り替える様子
今回から、ゴリラ語理解によって翻訳された状態でゴリラのセリフを表示してます。
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ゲートをくぐるとそこは……ゴリラの村だった。
「勇者様。どうぞ、こちらです」
「あ、はい」
しかも、なぜかめちゃくちゃ歓迎されてる。
もう、村の入り口がゴリラで埋まるくらいには。
「勇者様!」「勇者様ァ!」「ゆうしゃさま!」
「な、なんだか照れるにゃー」
「ケート、その顔気持ち悪いから、止めた方がいいよ?」
「辛辣だにゃー!?」
先導ゴリラに案内され、村の中を抜けていくと、四方八方から私達を歓迎するゴリラの嵐。
その歓迎っぷりにニヤニヤしてたケートに軽く引きつつそう忠告すれば、ケートは一瞬悲しそうな顔をして……またニヤニヤし始めた。
もう手遅れのようだ。
そんなことよりも、ちょっと気になることがひとつ。
「なんか匂わない? 甘い感じで」
「んー? バナナかなんかの食料的な匂いじゃないかにゃー? 村だし、備蓄とかあるんじゃね」
「それもまあ、そっか」
スンスンと鼻をひくつかせ、匂いを辿ってみても、四方八方から同じ匂いがしてて、出所はわからない。
正確に調べようとすれば調べられるけど……先導してくれてたゴリラがこっちを振り返っちゃったし、放置するわけにもいかないよねー。
まあ、村全体から匂ってるわけだし、ケートの言う通り、備蓄かなにかが匂ってるだけだろうなー。
「勇者様。これからこの広場で、勇者様のご到着をお祝いする宴を準備させて頂きます」
「宴?」
「はい、宴です。勇者様には、こちらでお待ち頂けましたら」
「えっと……」
案内ゴリラの言葉に困ってケートの方を見ると、ケートは良い顔でサムズアップ。
……めちゃくちゃ堪能する気だ、これ。
「……良いの? あんまりゆっくりしてられないでしょ?」
「大丈夫大丈夫。ちょーっと休憩するだけだぜー。あと十一時間もあるしにゃー」
「まあ、ケートがいいなら私はいいけど……」
とかなんとか、宴の始まりを今か今かと待っている様子のケートに呆れていると、私達の目の前から「ゆ、ゆうしゃさま!」と、ちょっと緊張したような声が飛んできた。
この翻訳機能……たどたどしさまで表現するとか、無駄にハイスペックだなー。
「あ、あの、これ……かんげいのはなかんむりです!」
顔を向けてみれば、二人の女の子が青とピンクの花で作られた花の輪を渡してくる。
ところどころ失敗してるような跡が見えて、“頑張って作った”って感じ。
ゴリラな見た目をのぞけば、すごくほっこりしちゃうね。
「うん、ありがと。……どうかな?」
「とてもおにあいです!」
「なら良かった」
「はい!」
(ゴリラなので定かではないが、たぶん)嬉しそうな顔をした女の子から少し目を外して、横にいるケートの方を見れば……キメ顔をして「何でも似合っちゃう、私の美貌が辛いぜ……」とかほざいていた。
ちなみに、対するゴリラ(ゴリラ)も「さすがゆうしゃさまです!」とか言ってた。
やめてよねー、すーぐ調子に乗っちゃうからさー。
とかなんとか、そんなほっこりイベントやら、村長さんらしきお爺ちゃん(ゴリラ)と話したりやら、待ち時間の間食用にと出されたバナナを食べたりやらしていれば……広場にさらなるゴリラが集まり、ついに宴が始まることとなった!
いやいや、ゴリラ多すぎない?
「皆もしっての通り、ついにこの村へ、勇者様が到着なされた! それはつまり、我々の悲願である、あの愚王“キングスゴリラ”討伐の可能性ができたということである! 今日の宴はその祝いと、勇者様に美味しいものを食べてもらい、英気を養ってもらうための宴である! みな、気合いをいれて、宴をするのだぞ! 乾杯!」
「乾杯!」「かんぱい!」「かんぱーい!」
……なんなんだろう、このテンション。
まだお酒飲んでないよね?
あ、もしかしてゴリラって、最初から酔ってたりするのかな?
「どうなのかな、ケート」
「とりあえず、めちゃくちゃ失礼なこと言ってるっていうのは確実にゃ」
「それはたしかにそう」
「そんなことよりも、とりあえず食ってみるにゃ。うますぎてこのバナナ無しじゃ生きていけなくなるぜ……」
「それ、怖くて逆に食べにくいよねー」
なんて言いながら、目の前に準備された“焼きバナナ、メープルシロップがけ”を一口。
……っな、なんだと!
焼かれて前面に強く出たバナナの甘みに、あえて焦がし風味にしたメープルシロップのほのかな苦みがマッチして……美味い。
「語彙力が無くなる味だにゃー。うましうまし」
「だねー。バナナメインなのに繊細な味付けで、高級料理みたいだよねー」
「だにゃー。きっとこの村には、料理長ゴリラがいるんだろうぜ」
料理長ゴリラて。
でも、この味を覚えたら……これを食べにまたここまでこなきゃ行けなくなってしまう~。
「ぬぅ、こっちのジュースもめちゃくちゃ美味い……!」
「料理長を呼べい! したくなるよにゃー」
「わかるけどしないでねー。ゴリラさんが困っちゃうから」
「いやいや、勇者様だぜー? 勇者様に誉められたとあっちゃぁ、名誉みたいなもんじゃにゃい?」
「恥ずかしげもなく、自分のことを“勇者様”って言えるの、ほんとに勇者だと思う」
「へへ、照れるぜ」
褒めてない。
しっかし、私達の給仕をしてくれている青年(?)ゴリラがすごい。
メインは私達の担当っぽいけど、他の席の料理が無くなったと思ったら、すかさず次の料理を置いたり、飲み物が無くなったら補充したりと、縦横無尽の働きをしてる。
いったいどこまで見えてるのかと気になって、彼らが背中を向けた隙に、ジュースを飲み干してみたら……「どうぞ、おかわりです」と、右後ろの死角から声をかけられた。
お、おのれ、そこにもいたのか!
「……なにやってるにゃ」
「いやー、なんか給仕さんの動きがすごかったから、どこまで見えてるのか試してみたくて」
「あんまり困らせちゃだめだぜー? 会場全体をサポートしてて、忙しそうなんだしにゃー」
「わ、わかってるよー」
ぐぬぬ……ケートに注意されるとは……一生の不覚。
こうなったら、ヤケ食いしてやるー!
ぬおー、どんどんもってこーい!
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名前:セツナ
所持金:99,920リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム(使用不可):ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳Lv.3】)
装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在6枠)】【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【朧霞閃影Lv.1】
未装着スキル:【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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名前:ケート
装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在6枠)】【付与魔法】【呪術】【??】
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