さらなる高みへ
前回のあらすじ
・見た目より強い修行僧
・ぶっつけ本番2連発
「やっぱり、刀を使おうと思う」
「……ふーむ、にゃ」
僧ゴリが光となって消えたあと、私達は次のエリアへのゲートをくぐらず、腰を落ち着けて話し合っていた。
というのも、敵の強さが予想以上だったり、【ゴリラの枷】の効果が結構色んなところに影響してることが分かったからだ。
ほんっとに面倒なスキルだよねー。
「刀にするのは良いけどにゃー……。振れるのかにゃ?」
「それは正直わかんない。でも、さっきの僧ゴリも、刀だったらこじ開けられた気がする」
「なんとも具体性に欠ける返答だにゃあ。ま、でも、セツナがそうしたいならそれが一番だぜ」
ニカッと良い笑顔(当社比)で言い切ったケートに、私は笑いつつ「ありがと」と返して、スキルを外していく。
ゲートをくぐってないからか、まだセット可能枠は2つしかない。
だから私はとりあえず、【抜刀術】と【見切り】をセットすることにした。
「てかそれよりも、聞きたいことがあるんだけどにゃ」
「ん? なにー?」
「さっきの最後の技? アレってなんなのかにゃ? 我流とか言ってたけど」
「あー……分かんない。なんか斬ろうとしたら、不思議と頭に浮かんだんだよねー」
当たり前なんだけど、私はちょっと運動神経が良いだけの普通の女子高生。
漫画とかゲームの主人公みたいに、“実は過去に剣の道場に通っていて……”みたいなことはないのだ。
だからこそ、私自身……アレがなんなのかはよく分かってなかったり。
「ふーむ……。ちなみにセツナ、【抜刀術】のレベルはいくつになってるのかにゃ?」
「え? えーっと、たしか15だったような……」
普段からあまり気にしてないだけに、ちょっと不安になって見てみれば、スキル欄にはしっかり【抜刀術Lv.15】と書かれていた。
あってたー。
「もしかすると、派生スキルが生まれたのかもしれないにゃー。魔法スキルで生まれたって人も、レベル15だったらしいし。習得可能リストを見てみたらいいんじゃにゃいかにゃ?」
「りょーかーい。えーっと……なんか変なのがある。“習得可能ユニークスキル”?」
「大正解みたいだにゃー。たぶんそれにゃ。さっき技が発動したのは、お知らせの代わりだったのかも、だにゃ」
「そういうものなのかなー?」
いやそれって、上手くいったから良かったけど、全然違う技が出てた可能性もあったってこと?
それはちょっと怖すぎでしょ。
「で、何が生まれてたのかにゃ?」
「えーと、【朧霞閃影】? 内容は……“【抜刀術】を使い、頂へと手を掛しプレイヤー、セツナのオリジナル戦闘術。光が閃き、朧に霞む”だってー」
「なんか、無駄にカッコいい説明文だにゃ」
「だねー。私のオリジナル戦闘術ってことは、私しか持てないってこと?」
「そういうことだにゃー。それがいわゆるユニークスキルってやつだぜ」
あ、だから“習得可能ユニークスキル”なのかー。
なるほど、なるほど。
「じゃあ、これを習得して……次の枠解放のタイミングでセットしとく」
「ういうい。んじゃ、私もちょーっとスキルを変えようかにゃー」
「変えるの?」
「うむー。魔法の威力が下がってたり、魔法連結もスキル無しじゃ制御が難しかったからにゃー。ちょっと考え方を変えようと思って」
言いながらケートはメニューを操作して、私にセットしたスキルを見せてくれる。
そこには、【ゴリラ語理解】と【ゴリラの枷】に並んで、【付与魔法Lv.5】と【呪術Lv.6】がセットされていた。
なにげに、前見たときよりもレベルが高くなってる……?
「……で、このふたつだと何ができるの?」
「簡単に言うと、バフ・デバフだにゃー。味方を強くして、敵を弱くするってやつだぜ」
「ふーん……?」
えーっと、どういうこと?
「あー、【付与魔法】にある『シャープネス』って魔法を使うと、武器の切れ味が上がるんだぜー。逆に【呪術】の『スロームーブ』は、対象の動きを遅くする魔法って感じだにゃー。【付与魔法】と【呪術】は、覚える魔法の数が、他の魔法スキルより多いから、色々と汎用性がきくんだぜー」
「へー。じゃあ、私の動きを早くするとか、力を強くするとかできるの?」
「うんにゃ、それはできない。なんでも、脳に過剰な負荷がかかって、ダメになっちゃうらしいぜー。いくらセツナでも、廃人にはなりたくないでしょ?」
それは誰でも嫌だと思う。
でもそっかー、そういうことはできないんだねー。
「じゃあ、ケートはサポートに回るってこと?」
「ステータスの減少具合によるって言いたいところだけどにゃー……最初のゴリラとさっきのゴリラじゃ、強さの格がかなり違ったし、このペースで格が上がるなら、私の火力じゃ燃費が悪すぎるにゃーってにゃ」
「そう? 全然戦えてたと思うけど……」
「適材適所ってやつにゃ。セツナは動くのが好き、私は動かすのが好き、オーケー?」
言わんとしてることは分かるけど、それって私が良いように使われるだけじゃないの?
まあ、考えるのはケートに任せた方が楽だけどさー。
「そんじゃ、同意も得たと言うことで……次のエリアに行くかにゃー」
「あー、うん。そうだねー」
「次は何が来るかにゃー? 森、崖と来たら……はい、セツナさん」
「え? あー、川?」
「ありそうだにゃー」
「今回みたいに、ゲートくぐった瞬間、川だったりしてー」とかなんとか、私達は軽口を叩きながらゲートをくぐった。
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名前:セツナ
所持金:99,920リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム(使用不可):ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳Lv.3】)
装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在7枠)】【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】
未装着スキル:【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.12】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.6】【朧霞閃影Lv.1】
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名前:ケート
装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在7枠)】【付与魔法】【呪術】
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