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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第五章『サヨウナラが言えない』

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手のひらの上

前回のあらすじ

・ゴリラの村に歓待された

・ケートが有頂天の鼻タカ天狗

「ふんっ!」


「はぁっ!」


 ガゴンッと音がして、お互いのゴリラが持った棍棒がぶつかり合う。

 雄々しい肉体を持ったゴリラ同士の戦いは、思っていたよりも激しく、“見世物の演舞みたいなものかー”と思っていた、数分前の自分がちょっと恥ずかしくなった。

 いや、というか……めちゃくちゃ迫力あって、面白いねー。

 面白いんだけどねー。


「いけ! ゴリ雄、そこだやってしまえにゃ!」


「……」


「よっしゃ、いまだやっちまえー!」


「……」


「決まったァァァ! ゴリ雄、よくやったにゃー!」


 すぐ隣に座っていたケートが、バナナ片手にめちゃくちゃ盛り上がっていただけに、私の方はなんとなく“スンッ……”ってなってしまう。

 てか、「よっしゃ、バナナ10本分の勝利にゃ!」とか言って、相手サイドを応援してたゴリラからバナナをまきあげるのはやめなさい。

 いつのまに賭け事になってるの、これ。


「いやー、めちゃくちゃ面白いにゃー。闘犬とか闘鶏みたいな感じで、迫力あって楽しいぜー」


「闘ゴリ的な?」


「そうそう。武器持ってるから、どっちかっていえば剣闘士のコロッセオみたいなのが近い気もするけどにゃー」


「ああ、うん。それはなんとなくわかる」


 ただ、完全な殴り合いじゃなくて、剣道とかみたいにルールが一応存在してるみたい。

 振り下ろしで頭は狙わないとか、武器を弾き飛ばされたら負けとか。

 まあ、ゴリラのパワーで殴ったら死人……もとい、死ゴリラが出ちゃうからねー。


「このゴリラさん達は、セツナ的にはどうかにゃー?」


「ん? いや、強いと思うよー。でも戦闘力ってことなら、最初に会ったゴリラボクサーの方が強いと思う」


「そっかー。私からすれば、どっちもスゴすぎてわけわからんけどにゃー」


 たぶん、ケートの言ってる“強さ”っていうのは、すべてをまぜこぜにした、ごった煮の強さだと思うけど、そもそもこのゴリラさん達と、ゴリラボクサーはまるで違う“強さ”を持ってる。

 スポーツの剣と、純粋な戦いの剣では、その扱い方は全然違うし、剣への向き合いかたもまるで違ってくるはず。

 だから、こうして“ルール化された中での強さ”と、“命の取り合いでの強さ”は、比べるだけ無駄なのだ。

 まあ、それでも……比べたくなる気持ちは分かるけどね。


「ほっほっほ。さすがに勇者様からすれば、我々の戦いなど、遊びのように見えるとは思いますがのう」


「あ、村長さん。そんなことはないですよー。どなたも沢山修練を積んでいるのは、見るだけで分かりますし」


「勇者様にそう言っていただけたなら、彼らにとっては、最高の誉め言葉になりますぞ」


 いや、そこまで喜ばれると、ちょっとこっちとしては困っちゃうんだけど。


「勇者様も、見たところ武器を使って闘うようで……」


「あ、はい。メインは刀を使ってます。棍棒みたいな打撃武器で闘うところは、ほとんど見たことがなかったので、新鮮でした」


「そうですか、そうですか。それならば良かった」


「武器だけを狙ったりとか、すごい技術も持たれてましたし、すごく参考になりましたよー」


 私の言葉が嬉しいのか、村長は顔を笑顔たぶんに染めて、「ほっほっほ」と笑う。

 この村長さんも、結構体格がいいんだよねー。

 村長さん自身、昔はステージの上で戦ってたりしたのかも?


「ところで勇者様は、少々お疲れのご様子。そこで、お部屋を用意させていただきましたので、そちらで少しお休みになられてはいかがでしょうか?」


「え? いや、さすがにそこまでは……」


「そうですか……? お連れの方は、先程お部屋に向かわれたみたいですが……」


「えっ!? うそ、あれ、いない!?」


 言われて村長から目を外し、ケートが座っていた方を見るも、そこにはすでに誰もおらず。

 ま、まじ?


「お急ぎのところかと思いますが、宴の片付けをする時間だけでも、おやすみされてはいかがでしょうか? 次のエリアへのゲートを開く準備も必要ですので」


「あ、あー……それじゃそうさせてもらおうかな。すみません、何から何まで」


「いえいえ。ではどうぞ、こちらです」


 村長の先導に従い、私はとある家へ。

 まったくもー。

 ケートも行くなら行くで、声をかけてくれないと、困るよねー。


 なんて思いながら扉をくぐったところで……ガシャンと音がして、“なにか”が閉まる。


「……あれ?」


 そして、その部屋には、私以外誰もいなかった。


□□


 side.ケート


「いやー、まさかさっきの応援がゴリ雄に聞こえてるとは思ってなかったにゃー」


 セツナが村長と話始めたタイミングで、私の方にはゴリ雄のトレーナーというゴリラが話しかけてきた。

 なんでも、“ゴリ雄が私にお礼を言いたい”とかで、ゴリ雄の控え室に呼んでくれたらしい。

 私も勝たせてもらったしにゃー。


「村長と話してたからセツナには言わずに来ちゃったけど、まあ十分程度だろうし、問題ないよにゃー」


 なんて独り言を口にしつつ、先導してくれるゴリ雄のトレーナーさんについていけば、トレーナーさんはなにやら家の前で、こちらへと振り返った。

 ふむ、どうやらここが控え室みたいだにゃー。


「中にゴリ雄がいますので、どうぞ中へ」


「はーいにゃ」


 ガチャッと扉を開けて中に入れば……およ、真っ暗?

 ふーむ、もしかして何かのサプライズとかかにゃー?


「勇者様、ようこそいらっしゃいました」


「お?」


 暗闇の中、後ろの方から声が聞こえ、振り返ろうとし――


「それでは、少しお休みください」


「――ぐッ!?」


 ドスッと鋭い一撃が腹部へと入り、私の体は家の壁へと叩きつけられる。


 ――――この村全部が、罠、かにゃ。


「セツナ、ごめ、ん……」


 意識が途絶える前に聞こえたのは、慌てたようなゴリラの声。

 ただ、その内容を理解する前に、私の意識は暗闇へと落ちていった。


-----


 名前:セツナ

 所持金:99,920リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 テイム(使用不可):ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳(かっちゅうけん)Lv.3】)


 装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在6枠)】【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【朧霞閃影Lv.1】


 未装着スキル:【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】



 名前:ケート


 装着スキル:【ゴリラ語理解】【ゴリラの枷(現在6枠)】【付与魔法】【呪術】【??】

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【お知らせ】

 私がなろうにて連載している別作品『採取はゲームの基本です!! ~採取道具でだって戦えます~』が、電子雑誌『どこでもヤングチャンピオン』にてコミカライズ連載中!

 

 ニコニコ静画でも連載が開始になりましたので、ぜひ読んでみてください!

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