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ファーム最強計画  作者: 花黒子


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5話「火吹草の情報」


 夜、操縦室兼タイニーハウスで寝ていると、獣が息をする声が聞こえてきた。畑に近づいていたが、落とし穴に何度も嵌まっているような音もする。


 翌朝起きてみると、大きなトカゲが落とし穴で死んでいた。トカゲなら這い出ることも可能だと思うが、外傷もなく死んでいるところを見ると、どうやら毒が効いたようだ。


「このトカゲ、なんだかわかる?」

「わかるわけないだろ。でも、コモドドラゴンに似ているね。中身捌いてみれば?」

 AIは動かないくせに、無茶を言う。

 川まで持っていって、ナイフで解体した。とにかく臭いし、鱗が固い。それでも胸を開けると、魔石が出てきた。臭すぎて肉を食べる気にはならなかったが、毒を仕込んで周辺に仕掛けておいた。骨と魔石は砕いて、マンドラゴラの畑に撒く。

 マンドラゴラの葉はすでに両手では足りないくらい広がっている。


「これってどこまで育てたらいいんだ?」

「花が咲いて実をつけるまでだろ? 種がないと一回転しかしないよ」

 種を増やして畑を広げることが基本計画だ。


 良い土と良い栄養があれば、どこまでも伸びていくらしく。翌日には花が咲き、種を植えて4日目には葉が大きく育ってしまった。掘ると耳をつんざく絶叫が放たれるので、大きくなったマンドラゴラから、クワでかち割っていくことにした。ナイフを突き入れて魔石を取り出してから、引っこ抜き土を払う。


 一回転目で40頭ものマンドラゴラを討伐。小さな魔石もたくさん取れた。葉は細かくちぎって、ミミズの餌にしておく。畑を休めておいた。

 その間に、俺は街へと向かい、マンドラゴラの死体を買い取ってもらう。要は出荷だ。


「え? こんなに!?」

 畑だけでなく野生のマンドラゴラもいるため、かなりの量がある。

「全部買い取ってもらえますか」

「買い取るのは良いんですけど、だいぶ割り引かれますよ」

 単純に薬屋が買い取れる額が決まっているらしい。ちゃんと薬草毒草にも市場があり量によって価格が決まるのだとか。とりあえず、あるだけ買い取ってもらったが、それでもかなりいい報酬になった。


「これだけ狩ると、レベルも上がってるんじゃないですか。見ます? 銀貨1枚は掛かりますけど」

 ステータスオープンにはそれなりの価格がいるらしい。お断りしておいた。

「それより、火吹草やマタンゴの情報はありませんか」

「あ、討伐依頼が来てますよ」

「え、本当!? 請けられますか」

「火吹草は強いので、無理でしょうね。防火マントも持ってないと厳しいと思います。マタンゴは洞窟周辺の大木周りにいるのが目撃されました。討伐部位も確認しておいてくださいね」

 マタンゴの討伐部位は、かさの一部とのこと。討伐部位の一覧も見せてもらった。鹿の魔物であれば角がトカゲの魔物であれば前足など、魔物別で変わる。魔石も本来は買い取ってもらえるらしい。あんまり持ってくると魔石の価格まで下がるので、やはり肥料代わりにして正解だったようだ。


 実際に火吹草は強いのか、昼から飲んでる熟練冒険者に聞いてみた。

「ああ、面倒くさい。あれは鎧が焼けるし、それほど高く買い取ってもらえないから、旨味は少ないんだ。固いし、厄介だし、立ち向かって死んだやつも多いのは確かだ」

「なるほど」

「でも、宇宙人のゴーゾーならマンドラゴラを倒してレベルが上ってるんだろ? 教会でスキルを習得してくれば良いんだよ。火吹草を使役すると楽だぞ。火を吐ける魔物って意外と少ないし、使い捨てにできるからな」

 火吹草の頭は悪いそうだ。

「俺、魔物使いになれるんですか」

「いや、たぶんなれるぞ。知らなかったのか。冒険者ギルドは酷いな」


 俺は言われるがまま、教会に行くと、蛇顔の老婆が占いをやっていた。占いには女性たちが列をなしていて、普通にキャスが並んでいた。


「何をしてるんですか」

「そっくりそのまま聞き返していいか」

「このまま街に残るか、田舎に帰るかを聞いておこうと思って」

「占わなくても田舎に帰る一択だよ。それよりスキルってどうやって取るんだ?」

「ああ、中にいる神父に聞いてみてください」

 

 中で、白ひげの親父に聞いてみると、魔物使いという職業になると、精霊の祝福を受けてテイムスキルを与えられるのだとか。レベルが上がると、その職業のスキルを習得しやすくなり、スキルツリーが解放されるという。


「ものすごく良いじゃないですか。宇宙人の俺でも可能ですか」

「ああ、精霊の祝福だからな。できるんじゃないか」

 神父も宇宙人は初めてだが、やってみようということになった。特に頭にスキルが浮かんだり、ステータス画面が見えたりするようなこともなく、テイムというスキルを取得できたらしい。

「スキルツリーが解放されると聞いたんですけど……」

「ああ、解放されるんだけど、見えないか」

「見えないですね」

「たぶん、魔力をもっと感じ取れるようになったら、見えるのかも知れない。がんばってレベルを上げてみてくれ。見えなかったら、また教会に来てくれ。こちらで上げてみるから。スキルポイントが溜まっているけど、農業系と使役系のスキルの基礎スキルを解放すれば良いんだろ」

「そうです」

「わかった。戦闘系スキルが一つもないけど、そっちのほうがいいのか」

「はい」

「よかった。冒険者時代にスキル選択を間違えてしまう物が多いんだ。潰しが効くようにスキルを取ったほうが良い。都会に行って剣術道場の下っ端で働く者たちが多くてね。魔王に立ち向かうどころじゃないんだよ」

 神父には一家言あるらしい。冒険者を産業と考えると駆除業になるだろうか。魔物が多いとはいえ、それほど発展していないのだろうな。鉱山や石炭関係もそれほど発展しているようにも見えない。やはり農業が主要産業だろう。それに伴い、錬金術も発展している。

 天候に左右されやすく、だからこそ宗教が発展する。魔王も実際にいるのかどうかはしらないが、宗教上の敵として使われているのだろう。

 ただし、この世界には魔力があり、宗教やレベル、スキルとも密接に繋がっている。実際、身体にも影響があり、動く植物の魔物など最たる例だ。

「変なことを聞きますけど、魔石って魔力が結晶化したものという認識で良いんでしょうか」

「そうだと思うけど、違う効力を発見した?」

「いえ、確認したくて。魔石を魔道具を動かすエネルギー源に使ったりするんですよね?」

「そうだよ。しかも透明度や色、大きさなどによって品質は変わる」

「なるほど……。燃料にも種類があるのか。いや、ありがとうございました」

「また、なにかレベルが上って気づいたら教会に来てくれ。疑問を持つことで発展することは多いから」

 俺は教会を出て、穀物系の食料を買い込み、再び不時着現場に帰った。


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