企画とは
8月2日陰ながら進んでいたらしい企画説明が始まった。
[えっと…皆来てくれてありがとう。
心苦しい事が2回もあって…楽しめるわけないと思う。
でも、今日ぐらいは死ぬ気ではしゃごうよ。]
ゆとの話を聞いてもほぼ誰も盛り上がらない。しかし…
[はーい!楽しみまーす!]
何も知らない繭は無邪気に言う。
数分後、企画が始まった。
小さな屋台の様な建物が並び、まるでお祭りだった。
[わ〜!わたあめだ!こっちは、たこやき!
お祭りは楽しいね〜]
繭は色んなものを頬張りながら楽しんでいる。
そんな繭を見た皆は、1日ぐらいいいだろうと思ったのかはしゃぎ始めた。
1時間が経過した時、白兎が天井を指差し言う。
[おい…何だよ天井のあの白いの。]
普段の声とは確実に違う困惑と恐怖が混じる声。
そして…医療係として待機していた、保険の先生が糸に捕らわれる。
捕らわれと同時に、あの時蛹魅室内に充満していた甘くツンとした匂いが漂い始めている。
[待て!止まれよ糸!]
白兎が拳を上げ突撃する。
しかし、それは無駄だった。
捕らわれの先生は天井に貼り付けられ、徐々に液体になり、多少が床に零れ落ちる。
[なんで!私に良くしてくれてたのに…]
奏は、最愛の職員の死に俯いている。
数分後、保険の先生は完全に液体に変化しきった。
頭蓋骨だけが床に落下するも、皮膚の液体化で脆くなっていたのか地面に触れた瞬間頭蓋骨が砕け散る。
[せめて…破片は、残してあげなきゃ。]
黙々と集め出す奏を見て、いなも拾うのを手伝った。
企画なんてしてる場合じゃなくなった。
保険の先生の死、裁判なんてする意味もないだって目の前で死んだから。
教室に戻っても、甘くツンとした匂いは忘れられない。
脳に濃くこびりついたあの匂い。
匂いと同時に保険の先生の死の瞬間が明確に蘇る。
吐き気が込み上げてくるがソレに耐え抜く。
奏の方が吐いてしまいたいはずだから。
最愛の職員が目の前で頭蓋骨以外全て溶けて死んだ。
せめて…親友2人と繭ちゃんは。
手に届く範囲の子は守り抜かなきゃ。
るあの心には深い決意が刻まれた。
15話を読んでくださりありがとうございます!




