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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第96話:懐かしい方々が

「お嬢様、今日はどのドレスを着て行きますか?」


「そうね、今日はこのドレスにするわ」


 私が選んだドレスは、お母様が私とのお揃いにと準備していたドレスだ。今日はお母様をイメージして、真っ青なドレスを選んだ。お母様と私の色、このドレスを着て、今日という日を迎えたい、そう思ったのだ。


 ずっと傍で見守ってくれていたお母様、今もきっと、私を見守ってくれているはず。


 そんな思いで、部屋から出た。


「サリー、おはよう。その格好は…」


 部屋の外には、いつも通りルーカス様の姿が。私の姿を見て、少し悲しそうに笑ったのだ。


「おはようございます、ルーカス様。今日は母と私の色でもある青いドレスを選んでみました。母は亡くなってからも、ずっと私を心配し見守って来てくれましたので。今日は私にとって、大切な日です。


 そんな日を、母と一緒に迎えられたら、そう思ったのです」


 亡くなってからも、お母様には随分と心配をかけてしまった。お母様が天国で安心して過ごせるように、もう私は平気よと伝えるためにも、このドレスを選んだのだ。


「サリーにとって、今日はとても大切な日だものね。そのドレス、とてもよく似合っているよ」


「ありがとうございます、それでは参りましょう」


 2人で一緒に馬車乗り場へと向かった、既に叔父様と叔母様も待っていた。4人で馬車に乗り込み、王宮へと向かう。窓の外から差し込む日差しがまぶしい。


 今日は雲一つない快晴だ。この国に来た時も、快晴だったな…もうずいぶん昔のように感じられる。


 しばらく馬車に揺られると、王宮が見えてきた。


 馬車から降りると、この前のお部屋に案内された。


 部屋に入ると


「サリーちゃん、久しぶりね。元気そうでよかったわ」


「王妃殿下!どうしてこちらに?」


 なんとミレンズ王国の王妃殿下がいらしていたのだ。私を見るなり、涙を流しながら抱きしめてくれた。


「アマリリスから聞いて、飛んできたの。まさかジョージが勝手に、マレリス王国に乗り込んできているだなんて思わなくて。サリーちゃん、ごめんなさいね。ジョージはすぐに連れて帰るわ」


「母上、僕はマレリス王国に視察に来たのですよ。きちんと父上の許可も取ってあります。決して乗り込んできた訳ではありません。何度も同じ事を言わせないで下さい」


 どうやら王妃殿下は、ジョージ殿下を迎えにいらっしゃった様だ。忙しい方なのに、わざわざ来てくださるだなんて…


「マーガレット、落ち着いてちょうだい。ジョージ殿下は我が国の王太子殿下の許可を得ていらしているのだから、何ら問題はないわ。それよりも、お義兄様もいらしていると聞いたけれど」


 叔母様が、キョロキョロと見渡している。


 お父様も来ているですって!一気に体が強張る。そんな私に気が付いたルーカス様が、そっと手を握ってくれたのだ。


「ローレティエン公爵は別室にいるわ。あの人、もう二度とサリーの前には現れないという契約を、あなたとしているでしょう?だから遠慮しているのよ」


「なるほどね、あの人らしいわ。サリー、あなたの父親も来ている様だけれど、サリーはどうしたい?サリーが会いたいというのなら、私が説得してくるわ。でも、まだ会う勇気がないというのなら、このままそっとしておきましょう」


 叔母様が私に問いかけた。


 私の知っているお父様は、いつも怖い顔をしていて私を怒鳴りつけていた。あの時の記憶が読みがえる。正直まだ会うのが怖い。でも…


「せっかくお父様が、この国に来てくださったのですよね。私、お父様に会いますわ。正直まだ会うのが怖いです。ですが…今日お父様に会わないと、なんだか後悔する気がするのです。叔母様、どうかお父様に会わせて下さい」


 真っすぐ叔母様を見つめ、はっきりと告げた。


「そう言うと思ったわ。皆様、少し席を外させていただきます。すぐに戻りますので、少々お待ちください」


 叔母様が部屋から出て行った。大丈夫だ、きっと大丈夫。そう何度も自分に言い聞かせた。


「大丈夫だよ、僕が傍にいるから」


 そっとルーカス様が私に呟いた。


 その時だった。


 ドアが開いたと思ったら、叔母様が入って来たのだ。その後ろには、お父様の姿も。

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